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おやまのポンポコリン
おやまのポンポコリン
novelistID. 129
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シュミット博士のそれ

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(この話は実際に起こった事件を元にして作ったフィクションです)

 カリフォルニア郊外にあるボグザロックの男達は最低だ。

 飲んだくれ、売人、ばくち打ち・・・。
 その上ドメスティック・バイオレンスも絶えないとあっては、この町にシングルマザーが多いのも当然といえる。
 
 かくいう私、サンドラ・バーンズも母一人の家庭で育った。
 裕福ではなかったがカレッジも卒業し、今は隣町のレイモンドで経理担当の仕事をしている。

 当年とって、27歳・・・。
 そろそろ家庭も持ちたい年頃だが、どうしても結婚に踏み切れなかった。
 私に限った事ではない。
 ボグザロックの女達は、みな男と暮らす事に恐怖を感じているのだ。


「始めての方ですね。この書類に目を通し、必要事項を記入してください」
 シュミット産婦人科の受付が、にこやかにペンを渡した。

 
 結婚は望まない。しかし子供は欲しい。
 ここはそういう女達が集まる場所だった。
 
 
 私は、医院長のシュミット博士が刑事訴追を免れる為の書類にサインし、
 希望する精子提供者の条件を記入した。
 
 白人、高学歴、それからあまり関係はないだろうが、一応プロテスタント・・・。
 子供の性別を選ぶことは禁じられていた。
 
 
 それにしても、ずいぶん空いている。
 百人は入れる待合室に座っているのはわずか六人だった。
 
 閑散とした待合室を見回していると、
 ボグザロックでスーパーを経営しているケイトと目があった。
 
「空いてるでしょ。あの事件が発覚したからよ」
 ケイトが声をひそめて言った。