シュミット博士のそれ
(この話は実際に起こった事件を元にして作ったフィクションです)
カリフォルニア郊外にあるボグザロックの男達は最低だ。
飲んだくれ、売人、ばくち打ち・・・。
その上ドメスティック・バイオレンスも絶えないとあっては、この町にシングルマザーが多いのも当然といえる。
かくいう私、サンドラ・バーンズも母一人の家庭で育った。
裕福ではなかったがカレッジも卒業し、今は隣町のレイモンドで経理担当の仕事をしている。
当年とって、27歳・・・。
そろそろ家庭も持ちたい年頃だが、どうしても結婚に踏み切れなかった。
私に限った事ではない。
ボグザロックの女達は、みな男と暮らす事に恐怖を感じているのだ。
「始めての方ですね。この書類に目を通し、必要事項を記入してください」
シュミット産婦人科の受付が、にこやかにペンを渡した。
結婚は望まない。しかし子供は欲しい。
ここはそういう女達が集まる場所だった。
私は、医院長のシュミット博士が刑事訴追を免れる為の書類にサインし、
希望する精子提供者の条件を記入した。
白人、高学歴、それからあまり関係はないだろうが、一応プロテスタント・・・。
子供の性別を選ぶことは禁じられていた。
それにしても、ずいぶん空いている。
百人は入れる待合室に座っているのはわずか六人だった。
閑散とした待合室を見回していると、
ボグザロックでスーパーを経営しているケイトと目があった。
「空いてるでしょ。あの事件が発覚したからよ」
ケイトが声をひそめて言った。
カリフォルニア郊外にあるボグザロックの男達は最低だ。
飲んだくれ、売人、ばくち打ち・・・。
その上ドメスティック・バイオレンスも絶えないとあっては、この町にシングルマザーが多いのも当然といえる。
かくいう私、サンドラ・バーンズも母一人の家庭で育った。
裕福ではなかったがカレッジも卒業し、今は隣町のレイモンドで経理担当の仕事をしている。
当年とって、27歳・・・。
そろそろ家庭も持ちたい年頃だが、どうしても結婚に踏み切れなかった。
私に限った事ではない。
ボグザロックの女達は、みな男と暮らす事に恐怖を感じているのだ。
「始めての方ですね。この書類に目を通し、必要事項を記入してください」
シュミット産婦人科の受付が、にこやかにペンを渡した。
結婚は望まない。しかし子供は欲しい。
ここはそういう女達が集まる場所だった。
私は、医院長のシュミット博士が刑事訴追を免れる為の書類にサインし、
希望する精子提供者の条件を記入した。
白人、高学歴、それからあまり関係はないだろうが、一応プロテスタント・・・。
子供の性別を選ぶことは禁じられていた。
それにしても、ずいぶん空いている。
百人は入れる待合室に座っているのはわずか六人だった。
閑散とした待合室を見回していると、
ボグザロックでスーパーを経営しているケイトと目があった。
「空いてるでしょ。あの事件が発覚したからよ」
ケイトが声をひそめて言った。
作品名:シュミット博士のそれ 作家名:おやまのポンポコリン