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扉のむこうの、あなたは、だあれ?

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 この話に結末はない。誰かの悪戯か、そのプレハブ小屋が本当に殺人事件の現場
だったかすら分からない。全員2度とそこには近寄らなかったとのことだ。

ただ、最後に足代はぼそり、と言った。
「どーも俺ってそういうのに好かれるらしいのヨ。引っ越しの度に自殺者がいたア
パートの部屋に当たったり、ツーリングに行くと必ず赤い光がバックミラーに映っ
たり。ま・慣れちまったけどな。もしかしたら羽柴、その女の子、俺と一緒にこの
学校に来てんのかもヨ。そんな気がする…。」
「よせやい、気味がわりい…」
顔をひきつらせ、やっとこ俺は答えた。が、こっちの返事も待たずにあいつはもう
どこかへ行っちまった。

 少しだけ薄寒い風が俺の首筋を逆撫でていった。もしかしたら、今この教室の
外で、それ…『彼女』は待っているのかもしれない。俺が、その扉を、ノックす
るのを・・・・・。





 『扉の向こうの、あなたは、だ あ れ?』  



                              ・・・終わり。