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扉のむこうの、あなたは、だあれ?

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 新興住宅地からの転入生が多いこの学校にはわりと変な奴も集まって来る。新し
く出来た俺の友人の中で、とにかくインパクトのあるのがこの足代秀雄(あじろ
ひでお、って読む。念のため。)だ。

とにかく豪放とゆうかまんま野生児とゆうか、授業の途中でもぶらっと現れては寝
るだけ寝て帰っていく。御法度のバイクを乗り回すが暴走行為をするでもなくひた
すらウィリーの練習をしては「落馬」して喜んでる。空手もならっていて、
「羽柴、お前なら片手で殺せるかな〜?」
と物騒なことを口走る。このあいだなんか花壇の草を食ってやがった。

ただ頭ン中はまるきり北京原人ちゅう訳ではなく、何故か文化系。趣味はギターと
油絵。今は俺と同じ美術部だ。前の学校じゃアイドル研究会に入ってて菊池百恵の
ファンだと言う。ゴリラが繊細な神経を持っているのってのとたいした差はないと
俺はみた。

 歩くテポドン…おっとっと。爆弾級のこの男だが先生や仲間の受けはすこぶる良
い。(敵に回すと厄介だとゆう話もある。)とりわけ俺は平々凡々としてるせい
か、妙に馬があうようだ。他の奴には言わないこともよく話してくれる。


 ――その中で、こいつが経験した、ちょっとだけ、恐い話をしよう…。