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Minimum Bout Act.01

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No.3「途絶える」




 「お父さん。一体どうしたんですか?」
 目の前でしおらしく父親に尋ねるエレンに、カッツは目を剥いてシンを睨んだ。今朝の態度とあまりに違うその様子に、口をパクパクさせている。
 不満を隠そうともしないカッツに睨まれた所でどうも出来ないので、シンは目を逸らして小さく肩をすくめる。
「エレン。お前はこちらのカッツさんの所に1人で勝手に行ったそうだね」
 エレンはガイオの隣りに座り、カッツを見てぼそりと口を開いた。
「ええ、だってお父さん、パストが急にいなくなって心配だったんですもの。もう2週間も連絡無しで休むなんて、おかしいでしょ?」
「はあ……エレン。お前には黙っていたが、パストは無断欠勤をしているんじゃない。うちを辞めたんだ」
「ーーーお父さん、何を言ってるの? 辞めた? 何故? 私に何の相談もせず、勝手に辞めるだなんておかしいじゃない! そうやって嘘を吐いて私に心配かけないようにしてるのね?」
「違う、エレン! いい加減に現実を見なさい! パストはお前の恋人でもなければ、愛し合ってもいない! お前が一方的に彼を好いていただけなんだ!」
「私達は愛し合ってたわ! 現実を見ていないのはお父さんの方でしょ!? 一人娘の私が可愛いくてパストに取られたくないからって、そんな酷い事を言うなんて信じられない!」
 目の前で繰り広げられる親子喧嘩に、カッツ達3人はあきれ果てて口を挟む事すら忘れていた。
 どちらが本当の事を言っているのか、段々分からなくなって来る。
「あーもう! そんな事はもうどうでもいい! IDだ! お前、本当にエレン・リードなのか?」
 カッツの大きな声に、ガイオとエレンはピタリと動きを止め、同時にカッツを睨む。
「エレンは私の娘だ!」
「私はエレン・リードよ!」
 またしても堂々巡りが始まってしまった。
 親子喧嘩に今度はカッツまで加わってしまい、低レベルな罵り合いがますますヒートアップして行く。
「ちょっとおじさん、私の事いじめて何がそんなに楽しいの!?」
「てめえこら、またおじさんって言いやがったな!? このイカス俺様のどこがおじさんだっつーんだ!」
「どこからどう見てもおじさんじゃない! ここまでくっさい加齢臭が臭ってるのよ!」
「なんだと、コラアっ!?」
「やめなさい、エレン!」
作品名:Minimum Bout Act.01 作家名:迫タイラ