オリーブの枝
彼女は、葉を手に取り、口に入れた。
すると、景色が一変。さっきまで真っ暗だった視界が開け、周りが派手な極彩色に包まれ、ぐるぐると渦を巻いている。他の言い方をするなら、菩提樹の葉、あるいは勾玉模様や万華鏡といった感じだ。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる……。
幻想的な世界だ。だんだんと気持ちが高揚し、浮遊感を覚える。
……ビュウウン――――ブウウ――――ンンン――――ガガガガガ――――ジュウウウ――――ンンン……。
耳鳴りというにはあまりに大きすぎる。しかも妙にはっきりしていて、何かが近くで音を立てているようだ。だんだんと興奮してきた。
あぁ、すごい……!すごい、はは、気持ちがいい。なんだかとっても気持ちいい。彼女はすっかり陶酔していた。
……ビュウウン――――ブウウ――――ンンン――――ははっははは――――ジュウウウ――――ンンン……。
……ビュウウン――――ふふふ――――ンンン――――ははっははは――――ジュウウウ――――ンンン……。
……ビュウウン――――ふふふ――――ンンン――――ははっははは――――うふふふふ――――ンンン……。
……ふっははは――――ふふふ――――ンンン――――ははっははは――――うふふふふ――――ンンン……。
……ふっははは――――ふふふ――――んふふ――――ははっははは――――うふふふふ――――ンンン……。
……ふっははは――――ふふふ――――んふふ――――ははっははは――――うふふふふ――――んふふ……。
いや、これは耳鳴りじゃない、人の笑い声だ……!