オリーブの枝
昔のお前を思い出したよ。初めて会ったときのこと、確か合コンで斜め前の席にいたよね。めっちゃテンション高かったの今でも覚えてる。うるさい奴だなぁって思った。でも、かわいいかな、とも思ってたんだ。あの頃はまだ結ばれるなんて思ってもみなかったなぁ。あれはいつ頃だったかな、少し気になってたから、思い切って電話してみたんだ。そしたらさぁ、男が出てきてびっくりしたよ。その瞬間に俺の恋は終わってたんだよね、本当は。でも、その後、折り返し着信で、君から電話が来た。まさか来るとは思わなくて、妙に緊張したんだよね、短い会話だったのに。そのとき出た男は弟だったんだってね。それ聞いて、俺ちょっと期待しちゃった。もしや、なんてこと考えてたんだ。それで、何度か電話したりメールしたりを繰り返した。たまにデートに誘ってみたりもした。でもこれが上手くいかないんだわ。意外とガードがお堅いお方だったから、なかなか次のステップに進めなかったね。次はいつ頃だったかな、確か初めて連絡してから2ヶ月後くらいかな、初めてのデート。4回目でやっとね、3回目の正直ではなかったけどめっちゃ嬉しかった。前日眠れなかったもんな、楽しみ過ぎて。パンツどんなの履いていこうとか、口臭に気をつけようとか、財布にちゃんとゴムを入れておこうとか、今考えたら、早とちりだったね。その日のデートは手を繋ぐことすら出来なかった。でもずっとはしゃぎっぱなしだった。一緒にご飯食べて、映画見たり、カラオケ行ったりしたけど、何より一緒にいれたことが1番楽しかった。ただ、そばにいれるだけでよかった。何度かデートを重ねていくうちに、その気持ちが一層大きくなっていって、自分の中だけで消化しきれなくなっていった。あぁ、俺、恋してるわ、気づいちゃった。もうあっつあつの恋だった。抑えられないのなんのって。そして、俺は告白した。茜、好きだ、もっと君の近くにいたい。素直な気持ちをぶつけた。そしたら、