遺書
私はもう私をやめることにしました。
私は一人ではありません。この膣に、小さな誰の目にも晒されない墓標を抱き、私はこの小さな箱の羅列をすり抜けていくのです。
ねぇ、貴方。私はたった一つだけ、貴方にお願いしたいことがありました。たった一度でいい、貴方にこの墓標に触れてほしかった。他でもない貴方に、たった一度、触れてほしかった。
ねぇ、神様。私はもう十分に闘ったでしょう?
私はこの箱を出れば、どこへ向かうでしょうか。私を拒否した私は、一体どこへ向かえばいいのでしょうか?この肉体を捨てたなら、私はどこへ向かってゆけるのでしょう。
もし私が、また新たな肉体を持つことがあれば、私はやっぱり貴方にまた会いたいと思うのです。私であることに喜びを抱き、墓標の前で立ち尽くすことなく、貴方と笑顔で向き合いたい。
足を掛け、今私は飛んでいきましょう。
辿りつく先に、今度こそ、私と笑顔で出会えますように。
さようなら。