サイコシリアル[4]
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僕は、街という街からも隔離された、山中のとある所に赴いていた。
隔離というか隔絶というか。
その建物は、傍から見たら廃墟のようにも見て取れるが、しっかりと役割を果たしているのだ・・・・・・らしい。
僕も初めて訪れたので、詳細は詳しくは分からない。
ただこの隔離された建物は一般の人間は立ち入り禁止なのである。建物内に収容される人間の関係者であれど、立入り禁止なのだ。関係者と言っても一般人には変わらないということなのだろう。
だとすれば、どういった種の人間が入ることが出来るのか。その答えは至って簡単だ。
国家。
この一言に尽きる。
精神に異常がある、善悪の区別の出来ないサイコパス、人道を踏み外してしまった異端者。猟奇殺人者。
これらを初めとする特殊な人種を隔離する施設。公にはあまり知られていない機密施設。
俗に言う、隔離病棟というやつだ。あくまで俗に言う、だが。
隔離病棟というのは、一般的には伝染病が社会に蔓延するのを防止するため、感染症法の定める感染症の患者を収容し、一般病棟等他への感染を抑制するための、感染症法に基づく感染症指定医療機関の特別な病棟である。また、精神科も設けられており、自殺の可能性のある者、他人に危害を加える可能性のある者を収容している。
僕がここで言う隔離病棟は少し違う。
もっと、危険がある者。最も危険がある者を収容する施設だ。だから、隔絶。人間から隔絶された者が収容される施設。
日本で数か所しかない隔絶病棟、祢黒病棟のことだ。
作品名:サイコシリアル[4] 作家名:たし