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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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ダークネス-紅-

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 自分に近づいてくるアリスに紅葉は眼を丸くしてしまっている。
「どうして……ここに?」
「紫苑様の言いつけで紅葉様の周りを見張っておりました」
「じゃあ……どうして……もっと早く助けに……」
 緊張の糸の切れた紅葉は号泣した。
「武器を取りに行っておりました」
 悪戯にアリスは艶笑してすぐに無表情に戻して屋上の先を眺めた。
 アリスの視線の先ではフェンスが内側から押されたように壊れている。
「どうやら落ちたようでございますね」
 それはバズーカを喰らった男のことだった。
 ほっと胸を撫で下ろす紅葉の耳に狂気に満ちた雄たけびが聴こえた。
 男がフェンスをよじ登ろうとしていた。
「てめぇら、ただじゃ置かねえぞ! ボロボロになるまで犯してやる!」
 フェンスをちょうど登り終えた男にアリスがバズーカを構えた。
「丁重にお断り申し上げます」
 発射されたバズーカの弾は高速で男の腹に当たり、爆発と共に巨体は虚空へ堕とされた。
 バスタオルを巻き直した紅葉はすぐさま屋上から地上を眺めたが、夜の暗闇と植え込みのせいでよく見えなかった。
 後にアリスが地上に確認に向かったが、そこには血を引きずった痕が残されていただけで、男の屍体はそこにはなかった。