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強気恋愛。 第一章

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じーちゃん家から帰ってきたウチは早速みんなにあけおめメールを送った。そして一番最後に岡森に「あけおめ❤」って送った。何で最後なのかというと岡森はたぶん家にいると思うから、メールが返ってきたら何も気にせずやり取りができるように。

 ウチは岡森が好き。中学に入ったばっかりの4月に、いきなり岡森のことが好きになった。外見に惹かれたんじゃない。初めてだったけど、直感で性格が解かった。思い込みとかじゃなしに、どこかでコイツの内面を見た。

 4月から今(1月)までずっと岡森のことが好きだった。

 なんかわかんないけど2学期からいきなりウチと岡森が両想い(?)みたいな噂が流れ始めて、事あるごとに冷やかされた。誰やねんそんなこと言い出した奴、とか思いながらも、別に岡森の事が嫌いって訳じゃないからいいか、って思った。それに公認のカップルみたいで、かえって気が楽になった。
 
 しかも周りに冷やかされてる時の岡森の反応とかを見てると、「コイツもウチの事好きなんかな」とかも思ったりした。みんなには言わなかったけどちょっとだけ自信が持てた。色々あって自信は確信に変わった。


 2学期頃がいっぱい行事があって一番楽しかったと思う。行事の度にさり気なく岡森にくっつきっぱなしだった。

 毎年1年生は1泊2日で出掛ける行事がある。それの活動班を決める時だった。
 
 男子同士、女子同士で固まって、それから男女を一緒にするという決め方になった。

 コイツのグループの男子たちの変な計らいにより、ウチは岡森と同じグループになった。ウチが岡森と一緒になりたいって言わなくても勝手に決まってくれた。

 研修中の2日間も朝から晩までずっと一緒に居た。久しぶりに見たメガネの岡森も、岡森が友達に対して爆笑してるのも、全部記憶に入れて帰った。

 ずっとこのままでいたいと思った。全部のことが楽しかった。事あるごとに 好き、と思った。


 そして色んな行事が終わって、冬休み。

 この冬休みがウチの中学校生活を一気に落とす発端になるとか、ぜんぜん考えてなかった。大げさじゃなくそんなことになってしまったけど落ちたって解かったのは半年以上あとになってからだった。

 冬休みにあったこと。冒頭に戻ります。ウチは家族でじーちゃん家にいってた。

 帰ってきてから、岡森にメールを送った。でも岡森はめんどくさがりで、宿題を押し付けてくる。「やってきて」「やらない」のやり取りばっかりずっと続けてた。
 
 引かんな、と思ったウチは「彼女候補に頼んだら。」って送った。彼女候補が居ないのはもちろん知ってる。
 
 やっぱり岡森からも「彼女候補とかいないし」って返ってきた。

 ウチはクラスの親友ミユの名前を出して、「ミユのこと好きなんやろ?」って送った。
 
 でも「違う」ってかえってきた。宿題の話は好きな人の話になった。

 「好きな人だれ?」「教えない」「言ってや。ウチも言うから。出席番号前半?後半?」「前半」・・・こうやって続いた会話も結局ウチの負け。「ウチの好きな人は出席番号7番」送ってしまってから、ネタにされたらどうしようとか思った。

 「告白?」すぐ返ってきたことにちょっと驚いた。開き直ってしまって「そうですが」って送った。しばらくやり取りが続いた結果、「もし俺がお前のこと好きって言ったらどうする?」って来た。

 一瞬(・・・遊ばれてる)と思ったからこっちもせめてもの頑張りで「どう、って?」って送った。でもまたすぐに返ってきた「付き合う?」

 ・・・・・こうなったら向こうから言わせたる、と思って「うん・・・まぁ相手から言われたらな。」って送ってみた。

 「相手からじゃないといやなん?」「告白して振られるのが怖い。女子にはよくあることさ」

 まだ余裕、と思ってたら「おれあんずのことすきやねんけどなー」って来た。

 一瞬「なに?」ってとまってしまってから、「全部ひらがなやし」って疑ってるっぽく送ってみた。
 
 そしたら「案数のこと、好きやで。」って来た。

 ウチは振ったことは何回もあったけどOKしたことは一回もなかったからどうしたらいいか解かんなくなって、素直に「・・・ウチどうしたらいい?」って送った。

 そしてはっきりきた。


  「案数の事が好きだから、付き合おう。」


 この時は正月。すなわち真冬。しかも時間は午前4時。

 極寒の部屋でエアコンもつけずにいたウチは、遂に幻覚を見始めたのかと思った。でもそれは何回見てもそれだった。何て言ったらいいか解かんなくて、でも断る理由なんてないから素直に「・・・はい^^」って送った。
 
 手が震えてたのは寒かったからだけじゃないと思う。すごく嬉しかった。でもそのときはまだ、そんな楽しい日が毎日続くんだとしか思ってなかった。

 そこからはすっごい楽しいメールだった。毎日、夜12時になったらメールをするのが日課になった。親が寝てから、こっそりメールをしてた。

 ウチは岡森に毎晩「起きてる?」ってメールを送った。そして朝の6時までずっとメールしてた。

 たまに「りん起きてる?」って岡森の方から先にメールが来たりもした。その時は尋常じゃないくらいテンションが上がってた。

 とにかくめっちゃ楽しかった。

 でも楽しかったのはこの正月だけ。要は冬休みだけがものすごく楽しかった。

 冬休みが終わっても普通に楽しかったけど、1週間前にしていたようなメールはしなくなった。

 ウチはもっと続いて欲しいと思ってたのに、終わり方はすごく情けなくて、すごく呆気なかった。

 何回席替えをしてもずっと左隣の席には岡森が座り続けてた。くじ引きなのにずっとそうだったからみんなには「運命や」とか「仕組んだやろ」とか言われた。仕組んでないし、運命とかなにそれみたいな感じだったけど、それを言われ続ける間は2人の関係がなくなることは無いと思ってた。

 席は隣だったから「仲がいいお友達」の関係は切れなかった。半年間ずっと隣同士の席だった。

 筆箱の取り合いとかばっかりして、授業も真面目に受けないで喋り続けて、すっごい楽しかった。このまま永遠にこのクラスでいたいと思った。岡森も、クラスも大好きだった。

 最後の最後まで隣の席だった。いつまでも「バカップル」って言われ続けた。反抗はしなかった。嫌じゃなかった。とにかく「楽しい」以外の感情を持ってなかった。

 今までで、一番楽しい1年間だった。入学していきなり好きになってから一度も他の人を好きにならなかった。ごまかすために他の人の名前を言ったことはあったけど、本当の好きな人は常に岡森だった。

 クラス替えがあるのはどうしようもないけど、来年も同じクラスになりたいと思った。同じクラスになったら絶対席は隣になるはずだと思った。最初は出席番号順だから仕方ないけど席替えしたら100%隣の席だと思った。

 でも、同じクラスになれない気がした。仲のいい人とかと離れてすごい寂しいクラスになるんじゃないかって不安だった。このクラスよりも騒がしい、楽しいクラスは他には絶対ないだろうって思ってた。
作品名:強気恋愛。 第一章 作家名:凛奈