『コードブレイン』
ん?考えてみれば何故今俺は、シャロさんと紅茶を飲んでいるんだ?俺は幸田と噂の公園に行ってその後すぐ寝たはずだった。そして、また意味の分からない夢を見て、そして、そして…。 「おーい、どうしたんだい?いや、当たり前の反応なのかな、なんせあんな非常識を見せられたんだから。」俺は、シャロさんの声が耳には届いていたのだがその声に言葉を返せないでいた。 「あれ、もしかしてまだ自分は、夢をみている。とか思っているのかな?フッ」なんだか鼻で笑われた。俺は少しむかついたので持っていた紅茶の入ったカップを近くにあった机の上に、少し力をこめて置いた。その瞬間…。 「ウォッアチッ!?」カップに入っていたまだ熱々の紅茶が思いっきり手に掛かった。(て、あれ?これ夢じゃないのか!!?)痛みを感じて思い出した。俺は先ほどリアルとは到底思えない現象にそのリアルの世界で出くわした。何故さっき起きたことが現実か分かったかと言うとシャロさんの言う『コードコレクター』とか言う奴に吹き飛ばされたとき、あの時できた擦り傷…それが、今もジンジンッ痛む。 「あぁーまずは、怪我の治療が先かな?ちょっと待っててね。」この人何か楽しんでいないか?再びムカッときた。 「あ、大丈夫ですよ。ほら、擦り傷ですから、ズゥー。」紅茶をすすりながら言う。だが、シャロさんは、俺の言葉なんて聴く耳も持たないで再び店の奥へ行ってしまった。「うぅー…そういえば先ほどから気になっていたのだが、いったいこの店の奥どうなっているんだ?」店の奥…今俺が居る場所は『Clock shop』のレジのすぐ横、レジの隣には、小さなライトが置いてありその光はどこか赤く不気味だ。光はその小さなライトの光のみ、だから、店内全体を照らせてはいない。だが、店の奥と言っても、この店は外から見る限り住宅街の家の中でも一際と言っていいほど小さい、実際に中に入ってみてもやはり小さめなのだ。 「ごめーん待った?」なんだか、女交じりの声を出して話かけてきやがる。 「貴方は俺の彼女か!?」っと言った所で俺は、二つの小さな視線に気がつく。 「えーー…」三秒ほど時が止まった。 「シャロさんって、シャロお父さんだったんですか…」そう、俺をジィーットこれまたジィーット凄いジィーット凝視してくるのは、恐らく6歳か7歳…いや8歳ぐらいの女の子二人である。 「あっはは面白い冗談だね。君芸能界いけるよ。たぶん。」いや、マジ真面目に言ったのだが、てかまだ凝視してくるよこの子たち!?。 「いや!冗談じゃないから、そして芸能界はそんなに甘くねぇーー!」そのとおりである。芸能界はとってもとっても過酷である!いや、知らんけども。 そんな俺の突っ込みも無視して、傷ついている俺の左脚に目をやる。擦り傷とは言っても、結構激しく擦ってしまったらしく着ていた服も一緒にきれてしまっている。