りんみや 風花
白銀の龍は、ゆっくりと目を覚まし、そして、はらはらと泣いた。
まるで、雪のように綺麗な鱗を震わせて。
そして、許婚に、
「人間だった時の約束は、叶った。」
それだけを告げて、はらはらと涙を零した。
「お帰りなさいませ。」
「・・・ただいま・・・いつか、また、会えるんだ・・・」
「ええ、もちろんです。」
「その時は、きみも一緒に、今度は、うちの家に嫁いできてよ。」
「はい、そうします。ですが、まだ、これから、わたくしは、あなた様を婿に貰いますのよ。」
「・・うん・・そうだったね。まだ、結婚もしてないね、俺たちは。」
「結婚して、子どもを育てて、そして、あなた様と最後まで、一緒です。そして、次も一緒です。」
「約束してくれる? 」
「はい、必ず。あなた様も約束してくださいますか? 」
「うん、約束する。・・・・ありがとう・・・選んでくれて・・・待っていられた・・」
許婚に抱き締められて、子供は、微笑んでいる。また遠い約束。きっと、叶うだろう約束を願いながら。