D.o.A. ep.1~7
―――目が覚めた。
明るい視界に目が一瞬眩み、同時に朝であることを悟る。
陰鬱な夢だ。
だが、紛れもない過去である。
もう幾度見たことか。両手はずいぶん昔に超えた。
現に自分の傍にはもう、本当の家族の姿はない。
10年前、血も涙もない、下卑た冷血漢どもに、すべて奪われたからである。
不意に懐かしくなったが、すでに、声も、顔も、はっきりと思い出すことも出来ないことに気付く。
それがただひたすらに辛く、16歳になったライル=レオグリットは瞑目して震えた。
作品名:D.o.A. ep.1~7 作家名:har