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ばーさーかー・ぷりんせす! 第2話

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7.

 戦い済んで。捕らわれた少女ベッキーは不思議そうな顔をしていたが、セフィロ
スの言動から善悪を見極めたらしく、納得して帰って行った。
「お姉ちゃん、ばいばい。お洋服を着てなかったの、内緒にしとくね」
引きつった笑みでフロリーナは見送った。

 ようやく生きている「らしい」もと魔道士の固まりを、ドレス姿に戻った姫は証
文とともに町の警備隊に引き渡した。
「貴方がたも人を守る覚悟はもう一度されたほうがよいですわね。人の罪は人に裁
いていただきましょう。ただし、ゴブリンより重い罰を!」


 * * * * *


 町を出ると霧はすっかり晴れていた。いつものように歩み出す一行。
「ここも霧の町ベイシァ、と呼ばれることはなくなるでしょうな。」
「彼らが真剣に自治を考えてくれれば…」
「あの魔道士が作ったとは言え、霧が良いことも悪いこともうやむやにしてしまっ
たのは確かですな。あの娘さんと、民の誠意を信じましょう」
不安の残るフロリーナをギャリソンが力づける。
「おてんとう様が見てたら、そう悪いことも出来ないってねー。きゃはは!」
「すべては〜、神の御心のままに〜」
マリアは明るく、ルーシーは相変わらずマイペース。そして――ぜぇぜぇ、と毎度の
ようにセバスちゃん入りのカバンを担ぎ、後から来るラッキー。
と、姫は立ち止まり、ラッキーを振り返った。しずしずと近寄り、
「今回は…助かりましたわ。あ、あ、ありがとうラッキー」
頬を染め、ぎごちなく言う。
「! ひ、姫…お、オイラの名を…か、感激っす〜!」
感涙するラッキー。ギャリソンも満足げだ。
「いつまでもわたくしのために、働いてくださいな」
忠誠のキスを許すべく手を差し出す。
「正直、わたくし貴方のこと、誤解…」


べろ。


「んも?」
べろべろ、べろ。出された手をラッキーは「舐めて」いた。
「ひっ、ひいいいいいいいいぃ〜っ!」
フロリーナは総毛立ってラッキーを振り回した。カバンを開け、そして素手では持
てないはずの大斧を…

ぐぉば!


 *

 * 

 * 

「おいたが過ぎましたな、お二人とも。」

フロリーナは答えない。私は悪くないもん、と顔に書いてある。
「姫さま〜、ラッキー、首のところの骨と太い血管がめちゃめちゃです〜」
「でも、すごく嬉しそう。きもいーっ!」
 治癒の白魔法と、手当てを楽しそうにするルーシーとマリアであった。


                              ・・・おしまい。