べんち3
こいつが、誕生日にかこつけて、俺を勇気付けてくれたから、ここにいる。
「そうやな。とりあえず、『陽だまりとベンチと年を取らないタマとおまえがおったらええわ。』 と、格好つけさせてもらおうかな。」
「口説くな。」
「いらんわ、男なんか。」
「俺も勘弁だっっ。」
ふたりして、大笑いしたら、タマは心配そうに、相方の顔を覗きこんだ。しばらくは、ここに通うことになりそうだ、と、俺は、さらに笑った。
「誰も見たことがないものを見る優越感っていうのは、楽しいな。」
ふと、あの大きな惑星を思い出して、口にした。
「・・・それがあるから、やめられへん・・・・」
相方だったヤツも、おかしそうに返事した。