ちょっと怖い小咄【一幕】
小咄其の六 『某諜報部員の冒険』
E国諜報部員00への7番、ジェームズ=セメダインは迷っていた。犯罪組織のアジ
トを壊滅したまではよかったが、宿敵デーブスペクターの罠にはまり、爆破装置付
きの部屋に監禁されてしまったのだ!
「うーむ私の好物メロンパンを置いて部屋に誘い込むとは、スペクターめ、なんと
悪知恵がはたらくヤツだ!」
お決まりのアナウンスが流れる。
「このアジトは自爆装置がセットされました。爆発まであと…」
やっと起爆装置を発見したジェームズだが、コードは赤と青の2本がのびている。
どちらかはトラップだ。
さあ赤か? 青か? どっちだ???
(下記からお選びください)
1.やっぱり赤を切る
2.いやいや青を切る
3.どーしよう?
* * * * *
[1]
赤だ! ジェームズはコードを切った。はたして!?
「爆発まであと30秒….」
「おいっっ!!」
[2]
青だ! ジェームズはコードを切った。はたして!?
「爆発まであと…」
アナウンスは止まらない。
「くっ、ここまでか!」
「爆発まで…あと30年…」
・
・
・
「―――おいコラっっ!!」
[3]
どーしよう? ジェームズは迷った。赤かな青かなどっちかな???
「爆発まであと30分…」
そのアナウンスさえ耳に届かないほど、彼は考えていた。その後30分ほど。
・・・おしまい。
作品名:ちょっと怖い小咄【一幕】 作家名:JIN