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サイコシリアル [2]

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「あら、涙雫君。撒いたと思ったのに見つかっちゃった」
霞ヶ窪は言った。倒れている女の子の首元にナイフを突き付けながら。
「お前が・・・・・・犯人だったのか」
僕は、目の前の現状に喉を詰まらせながら返した。
それは、何故か。今、霞ヶ窪を刺激してはいけないのだ。絶対に。
「・・・・・・何故、戯贈を?」
そう、倒れてる女の子というのが、戯贈だからだ。 目立った外傷はないが唯一の救いだ。
「私が犯人だと言うことに驚かないのね。尾行してきたということは、私を犯人と知っての行動だったの?」
霞ヶ窪は、僕の質問に答えなかった。
単純に質問を質問で返してきた。
「逆だよ、霞ヶ窪。お前が次の被害者だと思ってたんだ。正直言って、まだ状況を整理出来ていない」
「ははは、期待を裏切ってごめんね。逆に期待通りなのかしら。犯人が分かったんだし」
霞ヶ窪は笑う。僕に向けて、いや、戯贈も含めての嘲笑だろうか。
その、戯贈と言えば会話には入ってこない。意識を失っているだけだろう。冗談ではなく、あと少し見つけるのが遅かったら永遠にその意識を取り戻すことはなかったはずだ。
「何故、人殺しなんかするんだ?」
未だに信じることが出来ない現状に、僕はこんなちんけな質問をすることしか出来ない。
作品名:サイコシリアル [2] 作家名:たし