サイコシリアル [2]
「斬島猟木、お前は幼い頃にイジメにあってたんだよな? それも、放送出来ないようなえげつないイジメに」
そう、戯贈曰く斬島は幼い頃にイジメにあっていた。
その気味の悪さから、美少女フィギュアを集めまくる趣味から来たイジメ。
「何故それを?」
やはり、斬島に取っても思い出したくない過去だったらしい。
いかに狂っていてもトラウマは消えない━━戯贈の言っていたことは本当だ。
『もっと抉りなさい、涙雫君』
言われなくてもそのつもりだ。こちらと命懸けなんでね。
「何故・・・・・・? それは愚問だろ、斬島。僕が知ることで、お前が損するわけでもない」
「なめてんのか? 死にてぇのか?」
「なめる・・・・・・? 馬鹿言うなよ、斬島。なめてなんかいない。弄んでるんだよ、人のトラウマをな。いいか、斬島。僕は決して、お前をなめてなんかいない。弄んでるんだ」
「お前お前お前お前えええええ!」
「語彙力がないのか? 斬島。お前は、頭も悪けりゃ馬鹿なんだな。救いようがない。救う価値すら見いだせないがな」
「殺すぞ・・・・・・今すぐ殺す殺してやる殺して◇×◎■※▽」
「斬島・・・・・・」
『その辺でやめておきなさい。なかなか言うじゃない、涙雫君。とても素敵よ』
誘導。
作戦そのニ。
妹を殺させない為にも、斬島の標的を自分へと変える。
サイコパスとは衝動的でもある、即ちキレやすい。
だからキレる寸前で引く。
引き際を間違えれば即死亡。戯贈に止められなかったら僕は殺されていたということだ。
僕の死亡確率が跳ね上がったのは間違いないのだけれど。
『ここからが本番よ、涙雫君。出来るだけ引き延ばして、チャンスをうかがうのよ』
戯贈からの次の指令が下った。
仰せのままに、戯贈司令官。
作品名:サイコシリアル [2] 作家名:たし