陰陽戦記TAKERU 後編
まんまと引っかかってくれたぜ、全部は俺達の作戦だった。
まずは香穂ちゃんが敵を引きつけている間に俺は奴の後ろに回りこんで玄武の力を引き出してなるべく大きな氷塊を作った。
そして拓朗が相手を封じるだけの巨大な氷柱を作る、当然奴はそれを破壊するだろうから俺は自分で作った氷塊を放り投げて白虎の力を解放して奴の前に移動し飛び掛る、すると宙に投げた氷塊に映った俺の姿が反射して拓朗の氷柱に映し出された。いわば合わせ鏡の応用だった。
「うりゃあああああっ!」
俺は鬼斬り丸に麒麟と朱雀の力を解放して振り下ろした。巨大な赤と金の刃が唐竹から下を真っ二つに切り裂いた。
『ぐぎゃあああああっ!』
黒い陰の気が噴出して饕餮は大爆発! 木っ端微塵に砕け散った。
「やった!」
ついに最後の魔獣を倒した。
「やったね、お兄ちゃん」
「これで美和さんも元に戻ったはずです」
「美和さん……」
俺達は大急ぎで家に戻った。
全部終わった。
魔獣も全部倒したしもし奴の言う事が本当なら今ごろ元に戻っているはずだ。
仮に戻ってなかったとしてももう美和さんは戦わなくて済む、
美和さんは平和なこの世界で暮らしていけば良いんだ!
(俺は美和さんを守る、例え世界中の全てを敵に回してでも、俺は美和さんの為だけに戦う!)
そう心に決めながら家にたどり着く、
だがそこで見た物はアスファルトでグッタリとしている美和さんと学、砕かれた朱雀の宝玉、そして両手を血で染め2人を見下ろす加奈葉だった。
作品名:陰陽戦記TAKERU 後編 作家名:kazuyuki