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陰陽戦記TAKERU 後編

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 それから少し時は戻る、
 暗くなった工事現場、大地の亀裂は拓朗が玄武に頼み込んで元に戻し、ナウマン象の化石も元の場所に戻した。しかし……
『グフフフ……』
 闇世の中でも目立つ黒い影があった。
 体の殆どは消滅してしまい、左目部分だけしか残っていなかったが、敗北したのにも関わらず渾沌は月を見て笑っていた。
『グヒ?』
 すると渾沌は月を背後に飛んでくる黒い球体を見つけた。
 それは段々大きくなってゆき自分の前に降り立つと獣の形を造った。
『……トウ……テツ……』 
『フン、遊びすぎたな、その姿では最早戦えまい?』
『グフフフっ!』
 饕餮の問いに渾沌は笑って答えた。
 いや、話自体聞いていないのかもしれない、すると饕餮は目を細めた。
『まぁいい、お前にも役に立ってもらうぞ』
『グフ?』
 とたん渾沌の目の前が暗くなった。
 饕餮は口を広げると地面ごと渾沌を飲み込んだのだった。
『フッ…… これで良い、あとは……』
 饕餮は明かりが輝く町の方を見た。
『今の内に笑っておくのだな人間達よ、やがてこの世界は我々の物となるのだ』
 饕餮は声を上げて夜空に向かって笑い出した。