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陰陽戦記TAKERU 後編

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「武様! 辰弥様!」
 俺が振り向くとそこには呼んでないはずの美和さんと香穂ちゃんがいたので俺は驚いた。
「ふ、2人供…… 何でここに?」
「僕が呼んだんです、連絡が無くなったから…… それよりあいつは?」
「あいつは渾沌だ」
 俺は地下で起こった事を説明した。
 勿論奴の弱点もだ。
「なるほど、だから攻撃が効かなかったんですね」
「だけどこいつの攻撃法方も分かった。だからみんな協力してくれ!」
「分かりました!」
 美和さん達は頷く、
 そして拓朗と香穂ちゃんは聖獣を鎧化させる、
「あっ……」
「美和さん、どうした?」
 俺の後ろで聞えた美和さんの声に俺は振り向く、
「あ、いえ……」
「そうか?」
 美和さんは顔を顰めて背けた。
 何か様子がおかしかったが今はそんな事は関係ない。
『グルルルッ! 殺ス、殺す、コロスッ!』
 渾沌は大きく叫ぶと体を構成している黒い陰の気が額の本体に吸収される、
 元の化石に戻った身体はバラバラになって地面に落ちた。
『グララララァ―――――ッ!』
 渾沌は自分の尾を咥えて回転し始める、すると俺達の足場に亀裂が生じた。
「このまま俺達を潰す気か?」
「なりふり構ってられなくなったって事か!」
 弱点がバレて焦ってんだろうな、
 だけど奴が力を使っている今がチャンスだ!
「はああっ!」
 拓朗が玄武の鎚を地面に叩きつけて念を込めると地面の揺れが収まった。
「長く続きません、早く奴を!」
「分かった!」
 俺、桐生さん、香穂ちゃんの3人は武器を構えて突進、
 美和さんは後ろで朱雀の弓を引いた。
「滅っ!」
 美和さんの渾身の一撃が渾沌に炸裂、渾沌が怯んだ。
『グルルルルッ!』
 渾沌は今度は口を開くと火炎と冷気が放たれた。
 だけどこんな物は俺達には通じない、
「だりゃあっ!」
「えいっ!」
 俺が青龍の力を込めた一振りで炎を、香穂ちゃんが風を纏った光の薙刀で冷気を切り裂いた。
「桐生さん!」
「分かった!」
 青龍の銃剣の銃口が渾沌に向けられるとその銃口に青い光が溜まる、
 そして桐生さんが引き金を引いた。
「終わりだぁ!」
 溜まった光が一気に放出されると青い龍となって渾沌を飲み込んだ。
『グガアアァァ―――――ッ!』
 渾沌は光の中に消滅した。
 周囲に静けさが戻ると拓朗が力を止めても地面が揺れ動かなくなった。
「ふぅ!」
 桐生さんがため息を零すと銃剣を肩にかけた。