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陰陽戦記TAKERU 後編

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 季節は12月、もうすぐクリスマスになろうとしている時だった。
 押入れの中からクリスマスツリーを引っ張り出すと加奈葉が聖獣と供に飾り付けをしていた。
「ジングルベ~ル♪ ジングルベ~ル♪」
 楽しそうに鼻歌歌いやがって、いい年こいてそんなに嬉しいのか?
「何よ、武は嬉しくないわけ?」
「ケーキとご馳走食えるのは嬉しい」
 正直サンタクロースなんざ幼稚園の頃から信じてなかった。
「まぁ良いわ、それよりアンタ、美和さんのプレゼント買ったの?」
「えっ? プレゼント?」
「何よ、美和さんにプレゼント買ったんじゃないの?」
 俺は心の中で時計の針を逆回し、脳内の記憶を穿り回した。
3日前、俺は学校で加奈葉が学のプレゼントを買いたいから参考にしたいと俺に尋ねてきた。正直俺は『金』と言ってやったが加奈葉は……
『バッカじゃいの』
 と言い返してきた。現実的な望みだって言うのに……
 その時に美和さんへのプレゼントはどうするか、良ければ自分が相談に乗ると言って来たが遠慮した。
 こいつの場合自分の好きな物しか選ばないからだ。
「やっぱノラえもんのヌイグルミとか、携帯ストラップとか……」
「……安い愛情ね、」
 加奈葉は両手を上げて首を横に振った。
 でも冗談は抜きにして美和さんへのプレゼントはどうしよう?