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陰陽戦記TAKERU 後編

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 色々あったが、とりあえず四凶の一体を倒して数日過ぎた。
「お兄ちゃん!」
 あれから香穂ちゃんはほぼ毎日来るようになった。しかも毎日毎日手作りの菓子をもって来てくれる。
「今日はマドレーヌ作ってきたんだよ。」
「あ、ああ……」
 まぁ元気になのは良いけど何だか前より元気過ぎるような……
『まぁ良いんじゃ無いのかい?』
 ついでに言うと最近は白虎も香穂ちゃんと一緒に家に来て広間で菓子を食べるのが日課になった。
「あ、コラ! 勝手に食べちゃ駄目―ッ!」
『香穂、これ少し甘いよ。もう少し当分控えないと少年君が糖尿病になるよ』
「いいのよ! お兄ちゃん勉強で疲れてるんだし…… それにこれは私の気持ちなんだから」
 香穂ちゃんは顔を赤くした。
 それより香穂ちゃんの気持ち?
「お兄ちゃ~ん」
 香穂ちゃんは猫なで声で寄ってきた。
 俺は左隣にいる白虎に小声で尋ねた。
(おい、やっぱり窮奇にやられておかしくなったのか?)
『何言ってんだ。これが本当の香穂なんだよ。女の子が寄ってきてるんだからもっと喜びなよ』
(いや、だって……)
 さすがに目の前を見る、
 すると美和さんは俺に視線に気付いて不機嫌そうに目を背けた。
「み、美和さん!」
 もしかして嫉妬? 
 そう思っていると香穂ちゃんが俺の首周りに手を回して密着してきた。
「お兄ちゃん、だ~い好き!」
「ちょ、ちょっと香穂ちゃん…… 美和さん?」
 美和さんは立ち上がると俺に背を向けた。
「……私、知りませんから」
 美和さんの目は少し冷たかった。
「美和さ~んっ!」
 俺が美和さんを呼びとめるが美和さんはそのまま部屋から出て行った。
 確かに戦いが終わったし香穂ちゃんも明るく(なりすぎ)なって良かったが何だかやるせない俺だった。