小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
かいごさぶらい
かいごさぶらい
novelistID. 16488
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

女傑撃剣を魅せる

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

「コーン、カラカラカラ、、、」と門松のような切り口を見せ、竹が板間を転げ回った。その様を眺めながら、工藤師範は脇構えになり、半身になって腰を落とし、一礼した。息を止めていた道場内は、また、一拍おいて、拍手と喚声を何度も何度もおくった。お礼のアナウンスが流れていたのだが、飲み込まれて聞こえない。見届けて控え室へ戻った。控え室で、胴着を着替えているところへ。



「〇〇先生」と、声をかけながら、工藤トシ子師範が入って来た。



「あっ、工藤先生、お見事でした、薙刀の試斬は、久しぶりに観させてもらいました」



「いえいえ、年甲斐も無く、熱くなりましたの」74歳とは、とても思えない。



「巻き藁試斬や先生方の竹兵法試斬を拝見していましたらね、やってみたくなりましたのよ」



「そうでしたか!、お若いですね~、何年ぶりですか~?」工藤師範の薙刀演武は幾度か見ている。



「そうですね、かれこれ、20年ぶりぐらいでしょうか、うっふっふ」笑顔も若い。斬った竹を記念に、一輪挿しにすると言う。剛胆にして、繊細である。「参りましたわ~」の言葉を飲み込んで。



「本日はお招き、誠に有り難うございました」深く頭を下げた。