笑顔の反発 【Fantastic Fantasia】
レン様、レン様と何度も繰り返しながら史間の涙は止め処なく零れる。寂しかった、会いたかった、恋しかった、とその合間合間に滅多に表に表れない感情が浮かんでは沈む。レンは特に嫌がる訳でもなく慰める訳でもなく史間の言葉を聞いている。龍は悠々と何処までも飛んでいく。
傍目には大人の史間が子どものレンを押し倒しているように見えるが抱きしめてあるだけである。ただ、それだけ。それだけなのにそれがこんなにも重い。
作品名:笑顔の反発 【Fantastic Fantasia】 作家名:幻夜