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はっぴぃにゅういやぁ

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お正月を知る(1月2日)



 こんにちは、エミィです。
 私はいま、調べ物をしています。

 お正月について、です。

 恥ずかしながらクリスマスライブで発熱してから、ずっと寝込んでおりました。一週間ほどしてやっと熱は引いたのですが、現在も安静にしております。お医者様がおっしゃるには、疲れが溜まっていたとのことですわ。
 山田太郎殿のご厚意で、お仕事開始までまだもう少し期間があります。まだまだ寒くなると聞きますし、しっかりと休んで、体調を整えておきたいところですわ。
 ……というのは、もちろん、頭ではわかっているのですけれど。

 実際は、遊びたくて遊びたくて遊びたくて、仕方が無いのです!

 もうすっかり元気になりましたもの。食欲も戻りましたし、外を出歩くくらい、なんてことはありません。お風呂上がりの「湯ざめ」に気をつけて、寝るときはきちんと暖かい格好をして「羽毛布団」で眠っております。あと、外から戻ったら「手洗い」と「うがい」。これさえ気をつけておけば、病気などならないのでしょう?

 それに、アキさんよりお誘いを頂いているのです。
 昨日、「あけおめ」というタイトルのメールを送って下さいましたの。そこには私の体調を気遣う文章が記されておりましたわ。そして、もしよろしければ、「初詣」に行きませんかって。

 初詣、が一体どう読むのか、初めはカンカンと調べまくっておりました。けれども、すぐにわかりましたわ。こちらの世界では、いつの間にか新年を迎えておりましたのね!
 買い物へ出掛けたとき、街中の様子が一変していたことにとても驚きましたけれど、クリスマスの理由もわかりました。年末に、今年一年ありがとうという感謝をするイベントだったのですね。そして新たな気持ちで新年を迎える。なんて、素晴らしいのでしょう。

「鏡餅、はねつき、門松、しめなわ、百人一首、破魔矢、お年玉、凧揚げ、おそば、お雑煮、おせち料理、歌合戦、かみがた漫才、かみがた落語……」
「お嬢さま、そんなに買い物をしてどうすると言うのです。あまりお金もございません、どうか数をお減らし願います!」

 ミカンをつまみながら、こたつで買い物メモをしていると、カンカンが横から口を出して来ました。もう、水をさすのがとっても上手なんだから、困ったものですわ。

「そんなことありませんわ。新年なのですよ、新年っ」
「何もこちらの新年を正式な形でお祝いすることもないと思いますぞ。我々の国の新年は、まだまだ先なのでありますからな!」
「せっかく地球――いえ、日本、にいるのですし。少しは楽しみたいですわ」
 思わず頬を膨らませて見せると、カンカンは呆れたふうに翼を広げました。そして買い物メモを覗きこみ、器用にペンを持って、リストの項目にチェックを入れたのです。
「鏡餅とおせち料理くらいで良いではございませんか」

「お雑煮も、食べてみたいですわ」

 カンカンの手からペンを奪って、もう一つチェックを増やすと、私は立ち上がりました。コートに袖を通し、帽子をかぶって玄関へ。
「じゃ、買い物へ行ってきますわ。カンカンは外に出なくて良いのですか?」
「まったくお嬢さまは、こういうときはとても素早いですな!」
 翼を広げたので私が玄関扉を開けると、そのまま空へ飛び立って行きました。
 散歩が終われば戻って来るでしょう。
 少し遅れましたけれど、私も新年の準備に向けて、スーパーへレッツゴーですわ!


作品名:はっぴぃにゅういやぁ 作家名:damo