主よ。すべての光に祝福を。
光を求めて、一歩。一歩。躓いて、そしてまた一歩。
なかなかどうして遠いな。前に来たときは、もう少しスムーズに来られた気がしたのだけれど。
ああ。それは、隣にお前がいたからか。
一歩。一歩。慎重に。丁寧に。
壁伝いに階段を上っていく。
光が見えるよ。
なあ。お前は、君は、あなたは、――そこにいるのですか?
話したいことがある。
言いたいことがある。
言ってもらいたいツッコミがある。
触りたい。
笑いあいたい。
傍に、いたい。
この扉の向こうに、お前は、君は、あなたは、いますか……?
私には暗くて分からないけれど、お前が、君が、あなたがいるそこは、きっと、光の溢れた場所だと信じてる。
だって、見えるから。
ずっと見てきたから。
ずっと夢見た景色。
神さま。神さま、お願いがあります。
とってもワガママなお願い。
独りよがりな身勝手な望み。
それでも、叶えてくれるというのでしたら――どうか。
降り注ぐ光がすべて、主の祝福でありますように。
どうか、この世界が温かな光に包まれていますように。
願わくば、どうか――
ア ー メ ン ・ ハ レ ル ヤ
すべての光あるものに、讃歌あれ――。
fin.
作品名:主よ。すべての光に祝福を。 作家名:八雲珈琲