10分間ストーリー
パート、わらじ、太鼓
*三題噺ったー(http://shindanmaker.com/5279 )を使わせてもらいました。残念ながら時間切れで太鼓の要素しか入ってません。
「あー疲れた!」
とある高校のとある一室で、一人の少年が声を上げた。
数々の楽器が並ぶその部屋は、どこの学校にもある音楽室のようだが、中央に一際異彩を放つ物がある。
大太鼓だ。
そして、先ほどの少年がその大太鼓の近くで鉢を放り出してへたり込んでいた。
「なんで俺らがこういうことしなちゃなんねえんだよ……」
ぶつくさと文句を言いながら彼はもう一人、この部屋にいた少年を睨みつけた。
「仕方ないだろ、この学校の伝統だそうだから」
そう言う彼も少し息が上がっている。
「一年の成績最上位と最下位が共同作業ってやつか? なんでそれが太鼓の演奏なんだよわけわかんねー」
少年(最下位のほうだ)が悪態をつく。
そんな面倒なことがあるならこんな学校なんて来るんじゃなかった、とぼやいた。
「今までは図書館の整理やらの雑用だったらしいがな」
「ますますこれをする気がなくなった」
演奏なんて普段全く縁のないことを淡々とやらされても困るだけだ。
しかも最終的に全生徒の前で披露なんてたまったもんじゃない。