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エイミーとウサギの耳

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あるところに、エイミーという女の子がいました。
エイミーは絵をかくことが大すきで、学校がおわると、いつもどこかへ絵をかきに出かけます。
きのうは、おかの上から町をかきました。

「さぁ、今日はなにをかこうかしら?」
エイミーはスケッチブックをもって、町を歩きます。
町はたくさんのもの売りと、おきゃくさんの声でにぎわっていました。
その中で、ひとりのもの売りがエイミーにはなしかけました。
「そこのおじょうちゃん、かわいいウサギのおきものはいかが?」

もの売りはおきもの見せてくれました。
木でできている、ウサギの形をしているおきものは、まるで本もののようでした。
もの売りの手のひらの上で、今にもうごきだしそうにエイミーを見ています。
「あら、かわいいウサギさんね。でもごめんなさい。今日はお金をもっていないの」
エイミーはものうりとわかれ、また歩きはじめました。

「決めたわ。今日は森へ行きましょう」
エイミーは森へ行くと中、なにをかくかを考えます。
どうぶつたちをかきましょうか。
さっきのおきもののようなかわいいウサギもいるかもしれません。
それとも、お花をかきましょうか。
今は春なので、きっとたくさんさいているでしょう。

考えているうちに、エイミーは森についてしまいました。
かくものをさがしてあたりを見まわすと、なにかおちているのが見えました。
ほそ長くて、ふわふわしています。
それは、ウサギの耳でした。
「あら、これはウサギさんの耳よね。どうしてウサギさんの耳がおちているのかしら?」
エイミーはウサギの耳をつけてみました。

すると風の音、はっぱのこすれる音、小鳥の声。
エイミーの耳ではまったくきこえなかったたくさんの音が、ウサギの耳をとおしてきこえたのです。
「すごいわ!ウサギさんたちは、いつもこんなにたくさんの音をきいているのね!」
目をとじると、さらにはっきりと音がきこえます。
エイミーは、すっかりウサギの耳が気に入りました。

うしろから、さくさくと草をふむ音がきこえてきました。
エイミーがふりかえると、そこにはどうぶつがいました。
どうぶつがエイミーにはなしかけます。
「ちょっと、そこの女の子。それはぼくの耳なんだ。かえしてくれないか?」
どうぶつは、よく見ると耳のないウサギでした。

しかし、エイミーはウサギの耳をかえしたくありません。
「いやよ。だって、わたしがひろったんだもの」
すると、ウサギはおこってしまいました。
「きみはなんてよくばりなんだ!じゃあ、きみの目とぼくの目を交かんしてくれよ」
ウサギの目は赤くてとてもきれいでした。
なので、エイミーはウサギと目を交かんすることにしました。
そして、交かんした目であたりを見まわすと、
作品名:エイミーとウサギの耳 作家名:菅野