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ファック・トゥー・ザ・フューチャー

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 月の星屑が広がる宇宙。その隙間に浮かぶ、巨大なコロニー。電球の無い部屋は、眩しい程に明るい。天井が、床が、部屋自体が光る住居。流線形の、奇妙な家具。赤い、女の後ろ姿。体に密着した、赤い、ラバーのスーツを着ている。ソファに形の良い尻を沈め、サイドテーブルの上のコブラの鎌首に似た置き物に手を伸ばす。その頭を掴んで持ち上げると、収納されていた胴体の部分、太いコードのようなものが続いている。股を開いて鎌首の先を装着すると、それはまるで、悪魔の尻尾のように見える。女は横になり、唇を半開きにしたその顔には、ゴーグルを装着している。ジョイスティックの付いたリモコンを操作する女が、ゴーグルの中で見ている3D画面。白、黄色、黒のカラーチャートの中から白五十八パーセント、黄色二十九パーセント、黒十三パーセントを選択すると、全裸の男が次々と現れる。「SKIP」と女が呟く毎に、目紛しく画面は変わり、欲深い彼女の唇が「ENTER」と発音する間に、百人以上の男が現れては消えた。選ばれた男が、女の上に覆い被さる。悪魔の尻尾がくねくねと動き始める。雌の臭いが立ち篭めた白い部屋。新素材強化硝子の丸い窓に、カーテンは無い。円形に切り取られた宇宙。そこに、地球。錆色の地球が見える。
 遠くに光る白い点が、物凄い速さでコロニーに近付いてくる。人型のロボット。背中に背負ったランドセル型のウラン発動機から、オレンジ色の炎を噴き出しながら着陸体制に入る。
 あれは、
 この形、
 知っている。
 そっくりだ、
 矢吹は、DVカメラをグリップした手を、だらりと下げた。
 洋子の膣から、月男になり損なった精子が垂れる。
 信じられない未来がやって来る。
 間違い無い、
 あれは、
「ガンダム…」