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仮面ブライダー

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   仮面ブライダー

1、美しき色の戦士誕生

平成の年号に代わり20年を過ぎ、新時代を彩る若者が集い、夢を追いかける日本の首都東京。そんな若い力に溢れる街を一人の男が歩いていた。
壮年期に入る昭和生まれのこの男の名は田嶋光治。年齢的な状況に不景気が重なり合い、リストラを受けて久しい。彼は職業を求めて最も活気のある東京にやってきた。都会はひたすら忙しく冷たい。肩がぶつかれば、
「どこ見て歩いてんのオッサン、痴漢?」
と女子高生に言われ、平謝りに謝っても時折警察を呼ばれてしまう。
1日歩き回って安いマンションが並ぶ住宅街に戻ると、女性用の下着が空を舞ってきた。
男の目を覆うように張り付いたのは乳充てであった。
最近の言葉ではブラジャーなどというが、そのブラジャーが発光して光治を光が包み込んだ。
とある繁華街を女子高生が歩いている。学生服でタバコをくわえて歩いている。
その正面に一人のへんたi…男が颯爽と降り立った。
「仮面ブライダー参上!」
ブライダーは名乗るなり女子高生に迫りタバコを奪い取った上にそのタバコの吸い口をベロベロと舐めまわした。
ふつうのタバコよりキツいにおいを放つそれはGARAMであった。
ウヘウヘと笑いながら目隠しのようについたブラジャーで女子高生を見回す。
女子高生は金縛りのように動けないながらも携帯で警察に電話しており、ほどなくパトカーがやってくる。


警察官が数十人襲いかかってくるが一人残らず股間を蹴り飛ばして撃沈していく。
女子高生はその間に逃げ去った。
ブライダーは白バイを一台奪い去って夜の闇に消えていった。
その翌朝、光治は目を覚まし、ヨタヨタのスーツを纏って幾度となく通いつめた職安に向かう。朝食はいつぞや半分に割ったチキンラーメンだった。
玄関を出ると白バイが一台止まっている。
光治は自分の住むアパートで何がしか事件でもあったかといぶかしく横目で見ながら職安に向かった。







2、ブライダーの美食の日

 職安は実に混んでおり、光治は求人の募集を閲覧するのに2時間待たされ、窓口で育成訓練による援助の相談を受けるまでに3時間待たされた。窓口ではスタッフに
「見るからにあんたじゃ無理だ」
という顔をされながらほとんど適当にあしらわれた。
昼食は金銭的に諦めるほかにない光治はトボトボと、本日配布されるタウンウォークを手に入れて、宛てもなくさまよった。空をふと見ると光輝く物体が自分に降りかかってきた。
黒地にフリースがついたブラジャーだった。装着すると声が聞こえた。
「貴様のようにパッとしない男など落ちるところまで落ちてしまえ。」



顔面にブラジャーを装着し、後頭部で留め具を固定。グレーの無地のビキニパンツという姿の仮面ブライダーが現れた。
「イーッ!イーッ!」
といいながら街をひた走る。
真っ先にマクドナルドを見つけ、裏口に忍び込むと、失敗作のハンバーガーを見つける。
クォーターダブルチーズバーガーになる予定の失敗作を口にほおばり飲み込まないままに再び街をひた走る。
道行く女子高生やOLを見つけると一目散に追い回したがほどなく警官隊が現れる。
今度は機動隊が出動してきたが相変わらず、股間を蹴り飛ばして撃沈していく。

さらに教育委員会から派遣された、風紀粛正暗殺集団も現れた。



ブライダーは虚空に握り拳を掲げ、内回りに腕を回す。その手にはいつの間にかベージュのブラジャーが握られており、暗殺集団、通称FSA(風紀)(粛正)(アサシンチーム)の顔面に装着していく。

さらには繁盛しているケンタッキーフライドチキンに乗り込み、食事中の客が悲鳴(単なるビックリ)をあげる中カウンターを飛び越えて、ゆず辛チキンを奪い取った。


全面的にゆずの香りばかりでその辺の唐揚げと大差がなかったので、おののくレジのお姉さんを強く脅した。
「ふつうのチキンを出せ。新商品はダメだ!言うことを聴かなければ貴様のメロンみたいなサイズにAカップを無理やりつけるぞ!」


この強迫の前になすすべもなく、一番おいしくない手羽を差し出した。
「ふざけるな。鶏肉はあばらかもも肉にしろ。あと、せっかくの鶏肉の専門店ならば、鳥皮炭火焼きをメニューに入れろ。」
そういいつつ、骨の除去が難しい手羽を丸飲みにして走りさった。
走っていると、ショートカットでスラッと背の高い女性を発見した。
ブラジャーを奪い取ったが、怯える顔に青々としたヒゲが見えた。ブライダーは膝を付き苦しんだ。
体力の限界がいきなり訪れたブライダーはちょうど駐輪場を見つけ出し、鍵をかけわすれた自転車を奪いさって、いずこへと走り去った。

 そんな騒ぎの翌日、光治は目を覚まし、1ヶ月ぶりの大盤振る舞いで、コンビニ弁当を食べることにした。
しかし、コンビニに向かいたいが足がパンパンになり、激しい筋肉痛に襲われた。
玄関には見覚えの無い、チェーンが真っ赤に錆びて、タイヤもパンクしている自転車を見つけた。光治は修理して使おうと考えたが、今は足の筋肉痛が激しい。とにかく、今日の
職安はパスして寝ることにした。

枕に頭をのせると何かが後頭部にあり、違和感を覚える。
手探りでつかみあげると、それは青い水玉模様のブラジャーだった。

光治は数十年ぶりに味わう恥じらいを感じながらも猛烈な疲労感にはかなわず、眠ることにした。




   3、ブライダーの美しき実力。

 光治は目を覚ました。先日の筋肉痛もいくらか落ち着き、枕の横に移動した水玉模様のブラジャーにめをやる。

恐る恐る手にとり眺めると、先日聞いた声を思い出す。落ちるところまで落ちる…
退屈では無いが出口の見えぬ暗闇のような生活を思うと転落するのも一興か。
光治はブラジャーを顔に押し当ててみた。

甘美な石鹸の香りがする。
いきなり光が現れ、光治の後頭部に留め具がつく。仮面ブライダーブルーが誕生した。

ブルーになっても挨拶はやはり
「イーッ、イーッ」
である。

ほぼ同時に光治の友人である、久志が部屋を訪ねてきた。
久志とは職安に通い詰めているうちに何度か会ううちに仲良くなった飲み仲間だが、最近では互いの家を出入りして、大きな焼酎を酌み交わしている。

久志が部屋に入ると、グレーのパンツで顔面に水玉模様のブラジャーをつけた男が、
「イーッ、イーッ」
と吠えている。驚くが、さらに驚くべきは恐ろしい早さで詰め寄り、汗臭い、真っ黒のフリース付きのブラジャーを押し当てたことだ。

久志は光に包まれて、やはりグレーのパンツに黒いブラジャーを顔面につけた、仮面ブライダーブラックになった。

二人してイーッイーッをしながら外に飛び出し、白バイを二ケツして走りだした。
横断歩道を時速80キロで走り、歩道橋を走る。
徐行で老人の歩く後ろを延々と追い続けるなどの暴挙を重ねた。

今度は自衛隊が戦車と戦闘機で攻めてきたが、強力なブライダーが二人もいる。
やはり戦車のハッチをこじ開けて中の兵士の股間をつぶしていく。
さらには戦車を奪い、白バイと戦車でさらに街を暴れまわる。
空腹なので二人でコンビニに向かった。
作品名:仮面ブライダー 作家名:peacementhol