空中庭園都市バベル シャングリラ編 序章
女がいた
女は恋をした
女は愛した
女はひたすらに愛した
女は愛してはならないものを愛した
そして女は―
『序』
昔々遙かなむかし、かのバベルはシャングリラに言葉を授けた。
絶対的な力の規則である言葉は言祝(ことほぎ)と呼ばれ、人々に繁栄を与えた。
シャングリラの全ての力は言祝によってのみ表され、管理された。
だが人はそれを良しとせず、言祝を己が手で制御しようとした。
言祝を線の集合で表し、支配したのである。
人によって紡がれるそれは呪言と呼ばれた。
呪言は更なる力を生んだ。
今や呪言なくして人々の生活は成り立たなくなっていた。
言祝より生まれし可変の力、呪言。
人々は呪言を支配し、呪言に支配されている。
女は恋をした
女は愛した
女はひたすらに愛した
女は愛してはならないものを愛した
そして女は―
『序』
昔々遙かなむかし、かのバベルはシャングリラに言葉を授けた。
絶対的な力の規則である言葉は言祝(ことほぎ)と呼ばれ、人々に繁栄を与えた。
シャングリラの全ての力は言祝によってのみ表され、管理された。
だが人はそれを良しとせず、言祝を己が手で制御しようとした。
言祝を線の集合で表し、支配したのである。
人によって紡がれるそれは呪言と呼ばれた。
呪言は更なる力を生んだ。
今や呪言なくして人々の生活は成り立たなくなっていた。
言祝より生まれし可変の力、呪言。
人々は呪言を支配し、呪言に支配されている。
作品名:空中庭園都市バベル シャングリラ編 序章 作家名:雨城 透