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フジイナオキ
フジイナオキ
novelistID. 20353
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猫と二人- two persons with cat -

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かった。これから賢二君の家に行こう。こうなったら、その子に、
ちゃんとした名前付けてあげなくちゃ」
「これから? 映画はどうするの?」
「そんなの中止。映画はいつでも見られるけど、その子の名前は一
生ものなんだから」
「結構観たかったんだけどな、あれ」
「そんなの賢二君が悪い。自業自得よ。ほら、そうと決まったらさ
っさと食べる」
「ふうん、まあ、何が悪いか分からないけど」レンゲでスープをす
くって口に運ぶ。もう麺は食べきっている。「ところで、僕はもう殆
ど食べ終わっているから良いけど、葉月さんこそ良いの? 何か三
分の一くらい残ってるけど、お粥」
「私はダイエット中だからいいんですぅ」
「 いつからエコロジーに目覚めたの?」
 葉月は頬を膨らませた。頭が菓子パンのヒーローのものまねをし
ているわけではないな、と美樹田は考えたが、黙って残りのスープ
を啜った。