燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称)
プロローグ
新しい生活が始まった。俺、燈籠 海人にとって新しい生活が。人々の大抵が一度
は歩むだろう生活。桃色の生活を夢見るのもよし、黒色に染まり闇に浸かるも良
し、若さに身を委ね汗を流し部活動に励むもよし。人は皆それぞれなんだから。
そう、所謂、高校生活が幕を開けたのだ。
俗に言う青春時代というやつだ。
それはもうなんというか、胸に期待を膨らませつつも破裂して理性が飛ぶ━━なんてことのないように。
でもしょうがないのかもしれない。
少し甘い香りがする春風がそうさせるのだから。
私立三櫻高校。俺が入学した高校の名前である。
俺が暮らす三櫻町の中心部から少し外れた所に位置し、設立百年・・・・・・なんて到底及
ばない高校としてはまだまだ若い高校だ。
しかし、若いは若いなりに勢いがあるっていうのが鉄則。我が三櫻高校もこの鉄則に則る。
・・・・・・何がって? そりゃもう部活動が盛んすぎる。サッカー、野球を始め数々の有名所の部活からラクロス、水球などといった表現が悪いがマイナーな部活動もある。それに・・・・・・探検愛好会、文明解明愛好会、歴女の部など不思議な部活動もある。
勿論、俺も部活動に励みに来た、
なんて言えない。
ただ一つの理由だけ。
かっこつければ
借りを返しに来た。
ぶっちゃければ、
脅された。
ある一人の女性に。
「助けたなりの対価を払ってもらうよ」
とね。
作品名:燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称) 作家名:たし