コンビニ
鼻血出そう
もう、バイト終わるのが楽しみだった!
備瀬君が聡花ちゃんのことで怒っていたとしても、二人きりで話す機会なんてそうそうないからそれ考えると、もうそれだけで機嫌が良くなってくるのが分かる。
長かったバイトを終わらせて走って公園行くと、既に備瀬君は公園のベンチに座っていた。
息を切らしながら近づいていくと、俯いてた備瀬君が顔を上げた。
一日二日会ってないだけでこの俺の胸の高鳴りようと言ったら大変だ。
備瀬君は冴えない顔してるけど、やっぱり聡花ちゃんのことかな?
そう思ったらドキドキしすぎてた心臓も大人しくなった。
「みつきさん、聡花と付き合うんですか?」
みつき! みつきっていった? 俺の事!
もう、衝撃なんですけど!
鼻血出そう。
もっかい、もう一回みつきって言って。
「みつきさん? 聡花とは……」
俺が余韻に浸っていると備瀬君は背を屈めて俺の顔を覗き込んだ。
「あ、ああ、いや、お断りしたよ」
え? って備瀬君。
何も話聞いてないって事はやっぱりちゃんと別れてたのかな?
だとしたら備瀬君は今フリーなんだよね?
まさかもう新しい彼女とかいないよね?
いたらどうしよう……いるかどうか分からないけどすごく焦る。
でも、少し安心したような備瀬君の顔。
聡花ちゃんのことまだ好きなのかな?
聞きたいけど、聞いていいのかな?
「備瀬君はまだ聡花ちゃんのこと好きなの?」
「え?」
って答えた備瀬君はふと俺の後ろの方を一瞬見たと思ったらいきなり俺の腕を掴んで茂みの中に連れ込んだ。
「備瀬君?」
しっ! とだけ言って茂みの向こうを見ると、誰かいるようだった。