ガチサツ!!
1-サクラ
4月 昼
秋銅高校前
今日は天気が良い。気温も丁度良い。過ごしやすい気候だ。
秋銅高校前は普通の一本道路があり、住宅街がある。その反対側に秋銅高校はある。校門をくぐると、校舎へ続く広く長い道があり、その道には両側に桜の木が並んでいる。4月という事で、桜満開を予想するが、枝が折れていて、花が開く事はない。その道の丁度中間辺りで3人がしゃがみ煙草を喫っている。
桜井はその殺風景な情景の中を、『短ラン』と呼ばれる、普通学生服よりも丈が短い改造学生服を身につけ、下には赤のTシャツを着て、堂々と歩いていく。
桜井が煙草を喫っている3人の前に行くと、その内の1人の金髪の男が立ち上がり、
「テメェちょっと待てや」
と言うと桜井の肩を掴んだ。
「…なんだよ」
桜井が不機嫌そうに目を睨むと直ぐに、
「あのよォ…ここは中学生がくる場所じゃねぇんだよ」
と上から見下ろす様に言ってきた。実際、桜井は金髪のアゴ位までしか身長がなかった。
「っせーな。高校生だよ」
「オイオイ。その身長でその冗談はキツいっつーの!!ハハハ」
3人が大声をあげ、声をそろえて笑っている。その間に、胸ポケットから秋銅高校の学生証をだし、金髪の顔の前に突きつけた。
「俺転校生。今日から秋銅」