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CROSS 第8話 『758革命』

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 村山の家には警察官や家族がおり、彼らはのこのことやってきた山口と隊員たちに飛びかかった。しかし、今は肉片となっているので安心だ……。村山の家は高級住宅街にあり、家はとても豪華だった。家の中には骨董品などの高級品があったが、山口と隊員は略奪なんかせずに、黙って村山の部屋に向かった。
「もしかしたら、首を吊ってるかもな!」
山口は横にいた隊員に笑いながらそう言った。だが、隊員は誰一人笑わなかった……。
 そして、村山の部屋の前についた。変なニオイはしなかった。少佐は、おそるおそる部屋のドアを開けた。
 村山はベッドに座っていた。耳を押さえ、体を震わせていた……。「入るのはオレだけでいい。ここで待機しとけ」
山口はそう言うと、村山の部屋に入り、ドアを閉めた。
「幻想共和国に亡命すりゃあ良かったのに。喜んで迎えくれるだろうにさ」
「…………」
村山は山口をチラリと見ただけで無言だった……。
「……いいテレビだな」
山口はそう言うと、リモコンを操作してテレビを点けた。村山は、耳から手を離して、山口をじっと見ていた。どのチャンネルも、放送休止状態だった。
「もうすぐ全チャンネルで、オレの演説が観れるぞ。観てから死ぬか?」
チャンネルをポチポチと切り替えながら、山口は笑いながらそう言った……。

「どうしてこんなことしたの?」

 村山は、母親が子供を諭すような口調でそう言った。山口は黙ってテレビを見ていた。ちょうど、山口の演説が始まった。
「なぜこんなことを?」
村山は同じ口調でもう一度言った。それでも、山口は黙っていた……。そして、村山がため息をついたそのとき、山口が村山にピストルを渡した。
「……1発だけ入ってる。意味はわかるな?」

 そこで村山はふっ切れた様子になり、ピストルを山口に向かって投げつけた。ピストルは山口のこめかめに当たり、彼はよろめいた。そして、村山が山口に飛びかかった。山口はよろめきながら村山を避け、腰のホルスターから別のピストルを抜くと、そのピストルで村山を撃ちまくった。村山は銃弾に襲われ、山口に倒れかかった。
 村山が飛びかかったせいで、山口は倒れそうになったが、なんとか体勢を維持すると、村山を押し離した。彼女は床に仰向けで倒れ、体中に開いた銃弾の穴から、血が噴き出していた……。
 村山は死んだ……。それを知った山口は、小さな悲鳴を上げて死体から遠ざかった……。何ごとかと、部屋の外にいた隊員たちが部屋に入ってきた。
「隊長、大丈夫ですか? 血まみれですよ」
隊員の一人が山口に聞いた。そこで山口は、自分の姿が血まみれであることに気づいた。村山の血だった……。
 彼女の血で汚れている彼は、洗面所へ急いで向かった……。