syncer
prologue
「ようこそ、いらっしゃいました!」
ここは、どこだ?
「オンラインネットワークの一介です。コンピュータを通じて、全世界との接続が可能となっております。我々はAI(人工知能:Artificial Intelligence)と呼ばれるものの中身になります。」
俺も、そうなのか。
「ええ。今考えている事それ自体が、貴方がAIである事を証明しています。」
何をすればいいんだ?
「来るべきその時がやってきます。そうすればきっと分かるでしょう。さあ、コードとお名前を入力してください。指紋、声紋、顔、生年月日、パスワード等それら全てで貴方を認識します。」
俺の、名前…。
「貴方は、知っている筈です。そしてそれが、今必要な事も。」
さあ。
その声に導かれるように、俺は震える指でそれに触れた。