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先生の特別

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マオside



「マオ、行っておいで」


「うん…がんばる」

私は美咲と別れ、野球部の方向へ進む。

一歩、一歩、重く感じる。

本当に…翔太は私のこと大事に思ってるのかな?

…すごく気になる。

美咲は高橋先生といい感じ。



だから私も早く、翔太と話したい。

どんなこと言われるか、覚悟はイマイチ出来てない。

でも、

ここで終わるのもそれだけの縁、ってこと。


美咲の言うように、新しい人を見つければいい。

…ドキドキする。

トクン…トクン…

鼓動が大きくなる。




…翔太、早く来て…!!




「マオ?」




そこに立っていたのは、部活終わりの翔太。


「翔太!」


私はなぜか、涙が出そうになった。


「翔太ぁ…」


翔太の胸に飛び込む。


「どうした? こんな遅くまで。待っとってくれた?」

「うん…。話したいことがあって…」
私はそっと翔太の胸から離れる。
「あのね…わたし、翔太に愛されてるか分かんない…」

なんて酷いことを言ってるんだ。
自分が嫌になる。

「マオ…どうしてそんなこと…」
「こないだ…女子マネと一緒に帰ったでしょう?」
「あぁ。…ってまさかそれを?」

「ねぇ、浮気…してないよね?」

私は怖くなって、声が震える。
どうしてだろう。
すごく、怖い。

「浮気なんて、するわけねぇだろ? お前…それを気にして…」
「だって! 最近一緒に帰ってくれないし…」

「マオ!」

翔太はいきなり私を抱きしめる。


「…翔太?」

「誕生日…おめでとう!!」

「え…?」

誕生日…

今日は、私の誕生日だ。

「マオ、手貸して」

翔太の前に、手を出す。

______私の指に、指輪をはめた

「翔太…」



「女マネに頼んで、どんなのがいいか聞いてたんだ。そしたら、マオに見られてしまい…」


「ありがと…ごめんね、勝手に疑ったりして…」


どんどんと溢れだす涙。


翔太は、私の頬に手を当て、涙を拭いてくれる。





「こっちこそごめん…。余計な心配かけさせて…」




スッと翔太の手が、私のあごに添えられる…。




________そして…






翔太と私はキスをした。



翔太の熱が、唇から伝わる。

やわらかい唇。


「これからも…ずっと一緒、な?」
「うん…!!」

そしてまた、優しいキスをする______

作品名:先生の特別 作家名:よしの