あなた=?
「推定の域をでないけども」
「船でパーティーを開く一週間ぐらい前に親父、つまり王は倒れたんだ!」
馬に乗って走っているレグルスは叫ぶようにそう言った。
「ちょっと待て! そんなこと私達は知らないぞ!」
レグルスの隣を馬で走っているシレーヌも前を向いたまま叫んだ。
「当たり前だろ! 表にはそんな情報は流してないんだからな!」
「それでなんで、お前は急いでいる!」
レグルスは少し戸惑ったがすぐに口を開いた。
「……大臣だよ! あの野郎、裏で何かをやっているのは知っていたが、こんないい機会無いだろ! 親父と俺がいない時なんて!」
シレーヌは目の前の高原の遠くの方を見ていたがすぐに叫ぶ。
「おい! 大臣は何歳だ?」
「はぁ? 知らないよ……! 結構な年だろうがな!」
シレーヌは口を真一文字に結んで何かを考え始めた。
「シレーヌ!」
「……! なんだ?」
「何を考えている?」
遠くを見ていたシレーヌは横にいるレグルスを見た。
「昔の話しだ!」