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ジェスカ ラ フィン

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画が完成するのはあと1年半だ!! そこで訃報だが、機械巨兵セネアトレク
の頭部が発見されたと同時に、首が飛んだ『ソンデワン』の『娯楽国ホケメダ
ン』に居たセネアトレクが、パパロメ王妃とルルルフ姫の看病空しく、死んで
しまった。デゾーと部下達は、『デンダララン』を通ってやって来た。そのせ
いでパパロメに臨月は来なく、1ヵ月後に排卵できずに死んでしまった。ルル
ルフ姫は、壊れた頭部を探す『セネアトレクの巡礼』を回り、旅の途中でダズ
バグルフ盗賊団の下っ端に裏切られて殺されてしまった」

そしてリギーは僕の方を見て、こう嘲笑った。

「エクアクスよ、よく聞け!! ソフサラコマは、『ウィンクムスの山』の中
にある、『バラダラマスの町』を通り、東方の『ユグスの森』の奥の、『ペク
ディウス死体溜まり湖』に出る、『ユンドググ汚水道』に流された後、溶け残
った奴隷達と共に、『パパロメの巡礼』に出たぞ!! パパロメの間欠泉を3
ヶ月かけて廻る巡礼だが、今年の4月上.にホメネカが『パチャラグルの流転』
の時に落とした、『ソピョーゾギャニアンの宇宙』が、『パパロメの間欠泉』
砂漠1帯の東方に、溜まっている。閉じ込められた星達は、『ソピョーゾギャ
ニアンの宇宙』の布の水溜りの中で蠢き、窒息しようとしている。上空から
『ソピョーゾギャニアンの宇宙』を見てみると、御玉.子が餌を求めて、動き
回っているようで、面白い!! ダズバグルフ盗賊団の蟻地獄に、『ソピョー
ゾギャニアンの宇宙』が食べられている!! 垂れ幕だからな、皺が寄って折
れて重なってくしゃくしゃになって、元の宇宙に張ることは不可能になってい


る!! 蟻地獄に食われ穴を開けられ、『メッタラーの針』が無いと修復は不
可能だ!! そんなものは.在しない!! 磔にされたトーモンが、死の間際
に、?エクアクスさん!! 夢で見たんです!! 『メッタラーの針』は、
『地底世界ソロンペパール』に住む、『ジャンガズガンズの癌の森』の奥深く
にいる、『トッピラー』という猿が持っているんです!!?ですと!! 彼は、
『レーピオンドの町』の者達と一緒に、死後ミイラにしてしまったよ」

さらにリギーはこう叫んだ。

「ジャンガズガンズの癌などは倒せはしない。『ソピョーゾギャニアンの宇宙』
が『テンピョーテイレンの宇宙』から外れてしまったせいで、カーテンのよう
になっていて、すぐに戻るはずだったのだが、ホメネカによって剥がされてし
まった。お前も、半年後に、ソフサラコマが通って一言も喋らなくなった、
『パパロメの巡礼』に向うのだ!! .し1悶着があって、日にちが延びた、
?8月の道航?は、『12月』に帰って来るだろう!! ソフサラコマは、お
前のことなんか忘れて、そそくさと『ライファモンの神殿』の、『地獄への審
判』への作業に戻るだろう!! さらばだ!!」

リギーはそう言って、何処かへ飛んで行ってしまった。



8月が過ぎ9月が過ぎ10月が過ぎた。人々は、排泄した便を、騒ぎながら
僕へ投げて、頭から垂らして大笑いした。ミレンドファンテの牛達の糞を体に
塗ったくった堆肥を担ぐ奴隷達や罪人達が僕をボードにして笑った。夜、悔し
い気持ちを押し殺して、水分の多い糞を流したところ、奴隷使いにライトを当
てられて、

「こいつ!! 消灯時間、規定外時間に排泄をしたぞ!!」

と笑って、木の棒でぶん殴った。ジョイントを発動させて、戦おうと思った
が、力が出なく、後ろの手の紐を解けないまま、倒れた。僕は全裸同然だった。
僕の罪の重さは相当なものだった。

「糞を垂らせ!! 糞を垂らせ!!」

奴隷使いは叫んで、僕を木の棒で何発も叩き、早朝早く、動物の便をかけた。
女が、僕を足で踏みにじった。死刑にされる女だった。トーモンのミイラが張
り付けられた十字架が、運ばれて来た。僕の横の地面に突き刺した。そして、

「人類史上最低の若殉教者エクアクス」

と、看板を立てられた。「バラダラマスの町」は死刑囚の町となった。僕は
ひたすら、立たされた。僕の侮辱される日々は続いた。僕は罪を犯した子供に
まで馬鹿にされた。




12月になった。雪が深く積もった。誰も来なくなった。ソフサラコマは帰
って来なかった。



1月になった。ソフサラコマの1行が藁を被って帰ってきた。僕の前をわざ
と通り、「便所」となった雪が積もっても地面が変色した場所を、僕が笑われ
るのを聞きながら、聞いていないのか、分からないが、歩いて来た。ソフサラ
コマが1際小さく1団の中にいた。僕はソフサラコマの顔を見て絶句した。ソ
フサラコマは人々に汚物や石などをぶつけられても、何も言わずに、足を引き
摺らせて、歩いていった。めちゃくちゃに縫合しており、腹の周りがぶにゅぶ
にゅして歪んでいた。

「…ソフサラコマ!!」

僕は叫んだ。ドロドロのソフサラコマは、立ち止まらずに去っていった。僕
の業は翌年の4月になってもまだ続いた。体中真っ黒になっていた。臍の部分
に、体の汚れが溜まっていた。襤褸布を辛うじて肩に巻いていた。地面は変色
していたが花は咲いていた。それはタンポポの花だった。

?パパロメの4月の道航?は5月まで延期された。



翌年3月。毎日のように「スクリス川」から流れる奴隷の死体を見ていた。
決まりは毎日のようにこなしていた。僕は目を閉じた。足枷が外れる時が来る。
2年間でこの刑は終わり、誰も知らない森の中で死ぬのだ。僕はずっと立って
いた。アカリという女性が、こんな刑を受けたのだろうか? 僕は、アカリと
何か関係があるのか? 何かが生まれたような気がしたが気のせいだった。知
己夕…。糞尿を市民に腹を蹴られて流す日々。積み重なる結果と要因。懐かし
き冒険の日々と惨めな1年。垂れ流す無気欲の末能と過ぎ行く夕日。生命が蒸
発しそうな匂いと色。灼熱の闘牛を思い浮かべる。僕と君の壁。向かい合う壁。
寄り添う欲望…。末能と充.。カメレオンの舌のように伸びた爪。ケ…獣。寄
り添う僕。翼の見える空。仲間と過ごした日々。曇った「ヨークナッドの瓶
壁」。嘲笑う生き物。謳う心を見抜かれる日々。ホメネカとペレサのたまの排
便。降り積もる山。恥と後悔の僕。守り続ける末心。聴衆のざわめきと笑い。
どうして人間は醜い。どこまで笑えば気が済む?



「死ぬまで笑われるんだよ」



烏の鳴く空。毎日。僕は空を廻る。人々がいなくなると首を上げる。唯1の
楽しみ。きちがいじみた人間。何もできない無力感。ずっと前に使い方を忘れ
た脱力感。人々の笑い合う声。人々の悩み。僕が視界に映ること。僕の悩み。


君の報われない日々。僕は此処で会話する。僕は君で君は僕。僕はここにいる
けど君は目の前にいない。僕はそのことを言わない。誰に言う? 君には言わ
ない。じゃあなんで君に言う? 君に言わない。昨年は…闇を見る。僕は何処
に? 血溜まりに言う。君はアカリを見ましたか? いや見てないよ。僕は2
面を持っている。だから8面だ。それがなんだ嘗て言ったら君はその一面なん
作品名:ジェスカ ラ フィン 作家名:丸山雅史