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冷たい夜

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 身を切るような寒さの中、仕事を終えた俺は帰宅した。
 玄関のドアを閉めると、コートを脱いで雪を払う。関東にこれだけの雪が降るのは観測史上初のことらしい。交通機関もかなり麻痺していたようだが、地下鉄は動いていたので なんとか帰って来られた。小さな電気ストーブしかない我が家でも外に比べれば天国だ。


 俺は風呂に入り、買い置きのカップうどんを食べた。
 窓の外に見える暗い空には雪が降り続けている。風も強くなってきているようだ。明日の出勤のことを考えると憂鬱だが、今悩んでも仕方ない。


 部屋の明かりを消して万年床に潜り込むと、自分の体温で冷たい布団を暖めていく。


 心と身体に蓄積された疲れは、俺をすぐに眠りへと誘ってくれた。


作品名:冷たい夜 作家名:大橋零人