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七不思議解明部

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隣ということであっさりとその穴にたどり着いた。
足場が悪くて歩くのも一苦労というような場所。
ここの穴が防空壕だった場所か・・・。
やっぱり入ってみないことには何も分からない・・・もんな。
少し緊張するが俺はゆっくりと下りる事にした。
「ゆ・・・悠ちゃ〜ん!!」
知里が走って俺のとこまで向かってきた。
「なんだよ??」
「あ・・・あたしも行く・・・」
怖くて震えてるような奴に何ができるってんだ・・・。
しかしこいつは1度決めたらとことん進んでいく。
昔からそういう奴だ。言ったって仕方ないだろう・・・。
「足場、悪いから気を付けろよ」
そう知里に注意して俺も下りることに専念する。
ゆっくりと岩が出ているとこに足を乗せてゆっくり下りる。
ん・・・な、なんか下りる度に寒気が走る・・・。
何か嫌なことでも起きるのか・・・。
くそ・・・なんか俺も急に怖くなってきた・・・。
知里もゆっくりと下りてきている。
下りることと恐怖で気持ちが一杯な知里は
スカートがひらひらしていても全く気にしていない。
俺は素早く目をそらす。
たとえ幼馴染でも知里は女なんだ。
それでもって俺も男・・・お互いに年頃の・・・。
・・・こんなこと考えられるならまだ俺余裕かもな。
なんか自分が嫌になってきてしまった・・・。
そんなことを考えてるうちに俺はようやく地に足がつく。
俺がいるところは上から光で照らされてなんとなく見えるが
それより少し奥へ行くともう光が届かないのか
真っ暗な闇が続いている。
「く・・・暗いね・・・」
知里もようやく俺のいる場所までたどり着いた。
ここに何かあるかどうかも分からないのに、
俺はここには何かあると思っていた。
もちろん根拠などはない。ただ俺の勘がそう言っているだけ。
「そうだ、携帯のライト機能を使えば少しは明るくなるかも」
「おぉ、悠ちゃん頭いい!!」
そう言って俺と知里はポケットから自分の携帯を取り出す。
大抵の携帯は色々便利な機能がついている。
今の時代、物が進化するのは早いな。
・・・俺ってやっぱ年寄り臭い性格してるよな・・・。
ライトを付けて辺りにライトを照らす。
特に何かあるわけでもないようだが・・・穴は奥へと進んでいる。
ゆっくりと真っ暗闇の中を俺たちは歩き出す。
歩き出したその時、俺の足に何かが当たった。
その何かはカランカランと音を立て少し転がってしまったようだ。
「なんだ・・・一体・・・」
その音を頼りにその場所をライトで照らしてみる。
「・・・ッッ!!!!!!」
「きゃあああああああああっっっっ!!!」
そこには人間だったであろう白骨がいくつかあった。
そう、俺が蹴ってしまったのは白骨化した頭だったのだ。
その頭には銃で撃たれたような穴が開いている。
防空壕と言っても必ずしも安全というわけではない。
きっとここが見つかって・・・殺された人たちの白骨だろう。
白骨を見てしまった知里は泣いてしまっている。
その瞬間から俺たちは恐怖を感じるようになってしまった・・・。
作品名:七不思議解明部 作家名:寺島涼牙