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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 細い枝や木で作られた囲いの中に鶏が何匹もいる。うまそうな鶏を見て琥珀は思わず舌なめずりをした。
 あの鶏を一匹でも盗めば空腹で死ぬこともなくなるだろう。しかし、どうやってあの鶏を盗み出したらいいものか?
 囲いは鶏が逃げ出さぬように高くなっている。人間にしてみればそれほど高くない高さだが、狐の琥珀や鶏に取ってはとても高い物に感じられ、飛び越えて出入りするなど夢物語である。
 琥珀は考え、穴を掘って下から潜り込めないかと考えた。しかし、それには時間がかかる。そこで琥珀は人間が寝静まる夜まで待つことにした。
 この時代にはまだ電気などはないし、動物の脂を固めて作った蝋燭はあったが貴重品なので普段は絶対使わない。なので、人々は日が沈むとすぐに眠りにつく。
 日が沈み、完全に人間が寝静まった頃を見計らって琥珀は穴を掘り始めた。
 土が柔らかかったせいもあり、琥珀が通れるくらいの穴をすぐに掘ることができた。
 その穴を通って鶏小屋に入った琥珀はうれしさのあまり楽園に来てしまったのでないかと思った。
 目の前にはうまそうな鶏がいる。腹いっぱいに食っても食い尽くさないほどの数だ。
 しかし、琥珀には誤算があった。
 鶏たちが急に騒ぎ出したのだ。
 琥珀を見た鶏たちは怯えて羽をばたつかせたり、大声で鳴いたりした。
 慌てて琥珀は一羽の鶏を噛み殺すと急いで逃げた。
 一匹しか盗み出せなかったが、それでも大収穫だ。それにあのままあそこにいたら、きっと人間に見つかっていた。そう思うと琥珀は身震いをしてしまった。
 山に帰った琥珀は里で盗んで来た鶏を仲間に自慢し、自分で食べきれない分を仲間に振舞ってやった。
 数日が過ぎ、琥珀はまた腹を空かせていた。
 里にいってまた食料を盗んで来るか迷った。今度は失敗して人間に殺されるかもしれない。
 迷っているうちに日が過ぎていき、空腹に耐えられなくなった琥珀は再び里に下りることにした。
 今度は策の周りの地面に石が混ぜられていて掘ることができなかったが、少し離れたところから掘り進めて簡単に中に入った。
 鶏がまた騒ぎ出すが、慌てず琥珀は一羽の鶏を噛み殺して持ち帰り逃げた。
 それからというもの琥珀はたびたび里に下りては鶏や他の食料を盗み出した。