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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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 輝と悠樹は不思議な顔をしながら、互いの顔を見合わせ首を傾げた。
 何か嫌の空気を感じ取った椛は突然椛&楓に分かれた。そして、何かから逃げるように子供らしくはしゃぎだした。
 そんな椛&楓を見て、未空と綾乃は?子供のふりして?と思った。
 ここ最近、椛&楓の性格が掴めて来たような気がする。この二人は都合が悪くなると?一人?から?二人?に分かれる。
 悠樹は自分のティーカップに紅茶を注ぎながら、二人で遊んでいる椛&楓を見て言った。
「仕様がないだろう、小春神社が取り壊されることになって、この二人の帰る場所がなくなったんだから」
 悠樹が椛&楓を本気で心配してこの家で面倒を看ているのはわかるが、未空と綾乃は少し不安だった。しかし、二人はここでムキになってボロを出さないように紅茶を同時にひと口飲んで黙った。
 武が自分の持ってきたバッグからある雑誌を出してテーブルの上に広げた。
「この記事見てよ」
「B級オカルト雑誌だろ?」
 つまらなそうに言う輝の目がだんだん大きく見開かれていった。悠樹は渋い顔をして目を細めた。
「俺と綾乃だな」
「ウソ!? これアタシ?」
 開かれたページに掲載されていた写真には、大鷲と人らしくものが写っている。そして、記事の一節にはこう文章が書かれている。大鷲に乗った悪魔が二人の人間を連れ去るのを偶然居合わせた地域住民が写真に激写。
 何かに気がついた未空は横のページを指差した。
「……これ見て」
 その記事には、『怪奇ジャンピング女の恐怖』と題され、銀髪の女性が若い女性を抱きかかかえながら、家の屋根をぴょんぴょん飛び越えていったという証言をするインタビュー記事が掲載されていた。
 悠樹が失笑を浮かべると、それにつられて全員が顔見合わせて苦笑いを浮かべた。
 そんな中輝が堪え切れなくなって空気を口から噴出した。
「ぷっ……はははっ、マジかよ、B級オカルト雑誌だろこれ?」
 そんな輝を見て悠樹は頭を抱えた。
「誰も信用しないと思うが、俺たちの顔が誰にもばれていないことを祈るのみだな」
 まだ、しばらくの間、悠樹たちの受難は続きそうな予感がした。

おわり