psychedelic
サイは綺麗だ。いつも綺麗だ。
銀色に光る髪を揺らして雪のように白い頬を歪める。
サイは綺麗だ。
その折れそうに細い手首に幾筋も引かれた赤い傷跡も、それすらも美しい。
サイはひっそりと泣きながら手首を切る。
血液のこびりついたカッターの刃を何度も何度も振り下ろし真赤な血を流す。
切って切って切って切っ て、手首から肘まで隙間なく細い線で埋め尽くすと漸くサイはカッターを放り出す。
そうして流れる涙も血も拭わずに俺を見てごめんと呟く。
何も出来ない俺は 無言で首を振り意識を手放したサイを抱き抱えてベッドへと運ぶ。
俺はサイを救ってやれない。それでもサイは綺麗だ、とても。
サイにとって最善は何なのか、俺にはわからない。
歩み寄ることも突き放すこともできずに俺はただサイの美しさに惹かれている。
銀色に光る髪を揺らして雪のように白い頬を歪める。
サイは綺麗だ。
その折れそうに細い手首に幾筋も引かれた赤い傷跡も、それすらも美しい。
サイはひっそりと泣きながら手首を切る。
血液のこびりついたカッターの刃を何度も何度も振り下ろし真赤な血を流す。
切って切って切って切っ て、手首から肘まで隙間なく細い線で埋め尽くすと漸くサイはカッターを放り出す。
そうして流れる涙も血も拭わずに俺を見てごめんと呟く。
何も出来ない俺は 無言で首を振り意識を手放したサイを抱き抱えてベッドへと運ぶ。
俺はサイを救ってやれない。それでもサイは綺麗だ、とても。
サイにとって最善は何なのか、俺にはわからない。
歩み寄ることも突き放すこともできずに俺はただサイの美しさに惹かれている。
作品名:psychedelic 作家名:相原ちひろ