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文殊(もんじゅ)
文殊(もんじゅ)
novelistID. 635
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とある学校の委員会は!

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てめ、逃げやがったな菅生、と睨みを利かせながら言う鬼武から逃げた菅生は風紀委員長の後ろに隠れる。
「た、助けて……ください!」
「おいこら、菅生紀里!」
盾にされながらも、至極冷静に辰治郎が口を開く。
「落ち着いて。生徒会のメンバーが5人で不足しているから、そちらに入ってほしい」
「……生徒会?」
拳は握ったままだが幾分落ち着いた表情で、鬼武が聞き返す。
「そうですよ、6人制のバレーなのに主催の生徒会は5人しかいないんです」
「うぉっ!」
不意に後ろから声を掛けられて叫ぶ鬼武を気にせずに、声をかけた軍岡舞子が話を続ける。
「貴方としても、逃げた同朋よりそちらを選んだほうが得策と思いますが」
「な、逃げたわけじゃー……ごめんなさい!」
反論しようとする菅生が謝ったのは、ひとえに鬼武が睨んだからである。


「そろそろ始めたいのですが、よろしいですか?」
水野の声かけで、全員が整列する。
相変わらず委員長だけやたらと元気な体育委員。
すっかり沈みきった放送委員。
ジャージでもそこだけ光って見える美化委員。
何か別の武道でも始めそうななぜか正座してる風紀委員。
眠そうな委員長を激励する予算委員。
来ない委員長の代役の副委員長がイライラしている図書委員。
大人しく慎ましいHR委員。
裏切り者を追っ払って一人で不良座りの管理委員。
治療だけだと思っていたら参加すると知って慌てている保健委員。

そして、とても清々しい表情の生徒会一同。

「皆、それぞれ怪我なく楽しんでいこうではないか!」
武田が軽く挨拶を終えると、早速第一回戦である。
「では、放送委員会と体育委員会は早速位置についてくださーい」
額田がコートを指差してボールを菅生に渡す。


「帰っても良いですか……」
「今、腹が痛くなればいいのに」
「ほんと、俺たちって運ないですよねー」
「あー、何だろう委員長の顔に死相が見えるような」
ぐちぐちと何か言いながら、既に負け戦同然のバレーにやる気がない放送委員たち。
「でも、やるからには1ポイントはとろう」
「ですよねー、猛獣じゃないところに打ち込めば……何とかなる気がするようなしないような!」
そろそろネガティブをやめようと思ったのか慣れてきたのか、決意を語る音喜多。
同調している観音寺は、そろそろ自暴自棄らしい。