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我侭姫と下僕の騎士

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「気持ち良かったら、恥かしがらずに教えてください。そこを重点的に可愛がらせていただきますから」
「……意地悪。それより、クレアよ。姫って呼んじゃ嫌」
 先の提案がまったく活かされていないイグニスに、クレアは不満を募らせる。ムッと眉を寄せるクレアに、そんな仕草も愛らしいとイグニスは思うのだが、長年使っていた呼び方を、すぐに変えることは難しかった。
「……そう、ですね。ひ……クレア」
 僅かに戸惑いながらも要求どおりの呼び方をしたイグニスに、クレアは笑みを覗かせる。
 簡単に機嫌を直した姫君に、イグニスはもう一度口付けた後、蕾への攻撃を再開した。
 両手でクレアの身体を支え持ち、イグニスは艶かしく手を動かして反応の良い場所を探す。脇や背筋を丹念に撫で回すと、クレアは腰の窪みで一際強い反応を示した。
 どうやらここが感じるらしい。
 クレアの感じる場所を見つけ、嬉しくなったイグニスは全身を撫で回す。手のひらの拘束から開放され、揺れる双丘へは舌を伸ばした。白と朱鷺色の境界線に円を描くように舌を這わせ、触れて欲しい、吸って欲しいと自己主張をしはじめた蕾には意図的に触れない。
 全身をまさぐるように愛撫するくせに、胸の蕾にだけは触れないイグニスに、クレアは焦れて太ももを擦り合わせる。その奥が――異性の前では最も秘すべき場所と教えられた場所が――ほんのりと熱を持ちはじめた気がした。
「あ……んあ、はあっ……」
 イグニスに次々と暴かれる自分の敏感なところに、クレアは言われるまま素直に甘いため息をもらす。大きな声がもれた場所は、宣言どおりにイグニスが丁寧な愛撫を加えた。そのせいでクレアの太ももは小刻みに震え続ける。奥が疼くが、どうして欲しいのか、クレアにはまだ解らなかった。
「んあ!」
 長く放っておかれた朱鷺色の蕾に突然吸い付かれ、クレアの背筋はピンっと伸びる。
 従順なクレアの反応に満足し、イグニスは張りのある臀部を撫で回していた手を下腹部へとおろし――薄い茂みへと感じた気配に、蕩けかけていたクレアの意識は急速に現実へと引き戻された。

「いやっ!?」

 自分の口からもれた拒絶の言葉に、クレアは瞬く。下腹部に感じたイグニスの手に、忘れかけていた恐怖を思いだし、腰を引いてしまった。
 拒絶の声をあげたクレアに、イグニスは手を止める。いったいどうしたのか、と顔を上げれば、恍惚としていたはずのクレアの瞳には、怯えの色が浮かんでいた。
「……大丈夫ですか?」
 カルバンがクレアにした事は、乳母から報告という形で聞いている。同じ場所を触れられそうになり、思いだしてしまったのだろうと、すぐに見当はついた。
「やはり、今夜は……」
 止めますかと提案しようとしたのだが、とうのクレアは小さく頭を振る。
「大丈夫よ。イグニスだもの。……お父様じゃ、ないもの……」
 じっとイグニスの顔を見つめ、クレアは深呼吸を繰り返す。自分の上で覗き込んでいるのはイグニスであって、カルバンではない。
恐れる必要はないのだ。
 見るからに痩せ我慢とわかるクレアに、イグニスは口付ける。
 クレアは自分に触れているのはイグニスだと確認するように、自分に言い聞かせるように、瞳を開いたまま口付けを受け入れた。
 青と瑠璃の視線が混ざり合い、唇に吸い付き、先よりもなお丁寧に舌を絡めとり、口内を犯すイグニスに、クレアの震えも少しずつ収まる。
 もぞり、と下腹部に気配を感じたが、今度は平気だ。――まったく平気ではないが、目の前にはイグニスがいる。自分が恐れる必要など、なにもないはずだとクレアは腹に力を入れた。
 慎重な手つきで花弁の中心を撫でられ、クレアはびくりと震える。けれど、震えたのはその一瞬だけだ。あいも変わらず目の前にある瑠璃の瞳に安堵し、クレアの花弁も緊張をほぐす。
 すでにしとどに蜜を湛える花弁に、イグニスは喜んで指を滑らせる。痛がらせぬよう、怖がらせぬようにと控えめな動きではあったが、逆にそれが焦らしとなってクレアの芯を攻め立てた。花弁の奥から湧き出る蜜に指を絡め、強弱をつけて擦り続ける。
 以前父親が触れた時とはまるで違う感覚に、クレアは心の底から安堵して瞳を閉じた。
 瞳を閉じて再び身を任せはじめたクレアの唇から、イグニスは唇を離す。クレアの反応と共に揺れる白い膨らみを揉みしだき、いまやしっかりと存在を主張している朱鷺色の蕾に吸いついた。
「あ、あんっ!」
 再度もれはじめたクレアの嬌声に、イグニスもホッと胸を撫で下ろす。さすがにここまで来てしまっては、行為を中断することはイグニスにとって苦痛だった。クレアがひそかに『形が違う』と驚いたモノも、今はすっかり教科書どおりの姿をしている。はちきれんばかりの興奮を示すように天に向かってそそり立つ欲棒は、長年の劣情を吐き出す瞬間を今か今かと待ち構えていた。
「口付けてもいいですか?」
「うん?」
 一瞬意味が解らず、青い瞳を丸く見開いたクレアに、イグニスは頭を移動させた。
 興奮から擦り合わされているが閉じられたままだったクレアの太ももを持ち上げ、左右に大きく開く。ぱっくりと太ももは開かれたが、花弁はしっかりと口を閉ざしたままだった。蜜だけがいつでも男を受け入れられるように滴っているのが対照的で、淫らな眺めだ。
「あ、あの……」
 ここまでされてしまえば、クレアにも「口付けていいですか?」と聞かれた意味がわかる。というよりも、どこに唇を落とされるのか、がわかった。
 秘めるべき場所を大きく開かれ、躊躇うことなく顔を沈めたイグニスに、クレアは身をよじって逃げようとしたが、すぐに花弁を這いはじめた舌に嬌声をあげさせられてしまった。
「ひゃあん!」
 ぺちゃぺちゃとわざと音を立てて舐め上げるイグニスの頭に、クレアは制止しようと手を伸ばす。ところが、クレアの意識とは裏腹に、もっととねだるように両手はイグニスの頭を押さえつけた。
「だ、だめ。そこ、汚い……」
「さっき宿屋で湯浴みをしましたよね? 洗わなかったんですか?」
「洗ったけど、……恥かしい」
 せめて言葉でだけでも抵抗を、と足掻いてはみたが、イグニスには「可愛いですよ」と一言で片付けられてしまった。
 そうこうしている間にも、花弁からは淫猥な水音が響く。制止ではなく興奮から暴れる太ももを押さえるように抱きしめ、イグニスは丁寧にクレアの花弁を舐めあげた。
 カルバンに先を越されたことは腹立たしいが、あの時のクレアとは明らかに反応が違う。
 カルバンによる恐怖の記憶を上書きするように、イグニスは執拗なまでの愛撫を花弁に繰り返した。
 一方クレアもやはり、ソコへと舌を這わせるイグニスに父親を思いだしていた。ともすれば今にも甦りそうになる悪夢に、クレアは太ももの間で揺れる銀髪を見て、それがイグニスであると確認する。カルバンも銀髪といえば銀髪だったが、あれはただの白髪だ。イグニスの髪のような輝きはない。そもそも、脳天だけが見事に禿げ上がっていた父親は、同じ角度で見下ろしたとしても髪など見えない。
(わたし、すごく……いやらしい子?)
 秘めるべき場所を舌で掻き混ぜられ、恥かしくて目を逸らしたいのに、情欲をそそる淫靡な眺めに目を逸らせないでいる。
作品名:我侭姫と下僕の騎士 作家名:なしえ