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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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夜桜お蝶~艶劇乱舞~

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 獣ように四つ足で立ったお紺の上を妖糸が抜けた。そのままお紺は後ろ脚で地面を蹴り上げ、肉食獣のようにお蝶の咽喉元に飛びかかった。
 自ら背中から倒れたお蝶は真上を通り過ぎるお紺の腹を両足で蹴り上げた。
 蹴り飛ばされお紺が滞空している間に、すぐさまお蝶は体勢を整えて立ち上がり翔けた。
 地面に四つ足をついて着地したお紺のすぐ横に立つお蝶。
 お紺は眼をギラつかせた。
「気安く触るな!」
 お蝶に手はお紺の尻から伸びた金色[コンジキ]の尾を握っていた。
 その尾を引っ張ろうとしたお蝶の手をなにかが素早く引っぱたき、思わず尾を放して咄嗟の判断でお蝶は退いた。
 立ち上がったお紺の後ろから伸びた尾が、頭よりも高い位置まで立っている。それは三本あった。
 金色に輝く尻尾を見て、お蝶は感嘆を吐く。
「神々しいまでに輝いておりやすね。尻尾が妖力の源だとか……」
「あたしは三本もある。少しはあたしの恐ろしさがわかったかい?」
「水を差して悪いんですが、確か殺生石に封じられた狐は九尾だとか?」
「……くッ」
 嫌そうな顔をしてお紺は歯軋りをした。
 お蝶はすまし顔の奥で、目は不敵に笑っている。
「妖狐の実力とやらを魅せてもらいやしょう」
「肝を喰らってやる。あたしの恐ろしさを思い知るがいいよ」
 真の戦いがはじまる。
 果たして決着の行方は――?