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流れるままに 1

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 9月下旬、とある昼休み。文化祭も終わり男女の溝が埋まった今日この頃。私は一人教室の隅で携帯をいじっていた。
 文化祭の準備期間から本番の間、骨折して入院していた私はクラスになじむどころか浮いてしまった。最初私と仲良かった連中も男子のグループと仲良くなっていた。文化祭マジックとはよく言ったものだ、こんなのただの暗示じゃないか。
(あんな奴らに媚び売って何が楽しんだか…)
 別に嫉妬してるわけではない。ただ馬鹿みたいに尻尾振ってる女子を見て気分が悪くなっただけだ。
現実から目をそむけるために携帯の液晶に視線を戻した。
 一人は楽だ。誰にも干渉されないし、誰も私の事を気にしない。
「古東さん、ちょっといいかな?」
 クラスの女子たちが私に声にこえをかけてきた。例の連中である。
「なっ…なんですか?」
 いきなりだったため思わず顔が引きつった。
「あの、今日の放課後。掃除代わってもらっていい?」
「別にいいですが…」
 そう一言言うと彼女たちは「キャー!!」「よかったー」と口々に言った。
「それじゃ、よろしくねー」
 そう一言言うと彼女たちは去って行った。
 勝手に話しだして勝手に去っていく、何と自己中心的
(まぁ、)

 一人は楽だけど、たまにこーゆー事がある。

 ふたたび携帯に視線を落とす。昼休みが終わるまで後10分。
教室に響き渡る女子たちの甲高い声、男子達の走る音、携帯の着信音、無駄に鳴り響くお昼の放送、吹奏楽部のヘタな演奏、野球部の掛け声、軽音楽部の音楽と言うか酷い雑音
うるさい、
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい

肩にかけていたヘッドホンを装着する。繋がれたMP3をポケットから出さず手探りで起動させる。大音量で流れてくる音楽。
耳は痛いが、雑音を聞くよりましだろうという事で我慢することにした。
(次の授業は確か数Bだったよな…なら大丈夫だ)
 単位を落とす心配もない。ゆっくり保健室で寝よう。
 教室にいるのが耐えきれなくなった私は保健室に向かった。

作品名:流れるままに 1 作家名:雪。